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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 66

「哀徒を探してたら、偶然ここに来ちまってな……それよりいいのか? 早くそいつをどっかに連れてかなくて」
林崎の方に、顎をしゃくるヘティラ。ミルキュリアの頬に、一筋の汗が流れた。
「い、いや。今休憩を取っているところだ。さすがの私も、いささか疲れたのでな」
それを聞いたヘティラは、にやりと意地の悪い笑みを浮かべ、その場にどっかと腰を下ろした。
「へえ、休憩ねえ……そういうことなら、あたしもちょっと休んでいこうかな」
「な、何だと!? 休憩など許さん! さっさと哀徒を探しに行け!」
シッシッと、動物でも追い払うような仕草をするミルキュリア。だが、もとよりへティラが大人しく従うはずもない。
「あーあ。疲れたなあ。ちょっと寝ようっと」
棒読み口調で言いながら、その場に横になってしまう。事ここに至り、ミルキュリアはついに折れた。会議室の扉を開けると、林崎の襟首を引っ張って入り、中からヘティラを手招きする。
「早く入れ! 事情を説明してやるから!」
ミルキュリアにとっては、苦渋の決断であった。まさしく苦虫を噛み潰した表情になる。しかし、已むを得なかった。

「へえ……ここで待ってりゃ、哀徒がじきにやってくるのか」
ミルキュリアの話を聞いたヘティラは、ニヤニヤと下卑た笑いを浮かべた。
「手を出すなよ。あれは私の奴隷だ」
釘を刺すミルキュリア。しかしヘティラは、それを鼻で笑った。
「へっ。何言ってんだよ。あいつとあたしは、番になったんだ。それも、あいつの方からお願いされてな」
「どうせお前のことだ。力ずくで哀徒に言わせたんだろう」
「そう言うお前はどうなんだよ? 奴隷になるって哀徒は言ったのか?」
「そ、それはだな……」
口ごもるミルキュリア。してやったりとばかりに、ヘティラは口元を歪めた。
「やっぱり、言ってないんだ。お前はいつもそうだよな。人の気持ちなんかお構いなしで、自分の都合ばっか押し付けて……」
「黙れ。お前に言われたくない」
「何言ってんだよ。大体さ……」
扉を閉めた会議室の中で、どれほどの時間不毛な口論をしていただろうか。突然、ドンドンと扉が叩かれる音がした。
「ん!?」
「!!」
ミルキュリアとヘティラは、瞬時に意識を切り替え、扉に集中した。
『来たぞ! ミルキュリア!…………な、何だお前……? うわあああっ!』
「「哀徒!?」」
ヘティラが慌てて飛び出し、呻き声を上げて倒れる音を聞いて
同じように飛び出しかけていたミルキュリアはニヤリと笑った。

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