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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 72

「ふん、最初からそう言えばいいんだ」
口調は依然としてきついものの、表情は大分穏やかになってきたミルキュリアは、哀徒を吊り上げる力は若干緩め、さらに続けた。
「これでお前は、私を世界一の美女と認めたわけだ」
「はい、その通りで……」
「で?」
「え……? まだ何か……?」
「『まだ何か?』じゃないだろうが。お前は世界一の美女である私と男女の間柄になりたいんじゃないのか? 早く口説け」
「そ、そんな……僕にとってあなたは高嶺の花でしぶがっ!」
高速で乳房を横っ面に叩き付けられ、哀徒は一瞬記憶を飛ばした。
「……はっ!?」
「気が付いたか? 先程の世迷言は聞き流してやるから、もう一度心して答えろ。私と男女の間柄になる気はあるのか?」
「あ、あ、あ、あります!」
もはやプライドにこだわっている場合ではない。パンチドランカーどころか脳挫傷の危険を前に、哀徒は戦略的後退を選択した。
「そうかそうか。では告白してみろ」
「はっはいっ、僕とお付き合いしてください!」
「何だと? この私がお前みたいなガキを相手にすると思うのか? 身の程をわきまえろ!」
「えっ……?」

ミルキュリアの返事は拒絶だった。思ってもみない反応に、一瞬戸惑う哀徒。

だが、断られるなら断られるで、別に何も問題はない。哀徒は別に、ミルキュリアと交際したいわけでも何でもないのだ。

「で、ですよね……身の程知らずなことを言ってすみません。今のは聞かなかったことに……」
「阿呆か! 一度断られたぐらいで諦めるな! 私が承諾するように、もっと卑屈になって何度も頼め!」

(うわっ! 面倒くさっ! 何だこの女……)

哀徒はうんざりしたが、目下のところ、ミルキュリアに生殺与奪の権を握られているに等しい状況である。どうにかして機嫌を取らないといけない。

「あ、あのう……」
「何だ?」
「そうしてもあなたとお付き合いしたいんです……何とか考え直していただけないでしょうか……?」
「ふん。どうしようかな」
「どうかお願いします。何でもしますので……」
「ほう。何でもだと?」
「は、はい……」
「そうかそうか。そこまでして私と付き合いたいんだな」

ミルキュリアの目が、少し笑った。


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