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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 65

すっかり死の恐怖に駆られた林崎は、後で哀徒が困ったことになるのも構わず、哀徒の成績、素行など、知っていることを洗いざらい話し始めてしまった。
「ほう……哀徒は前に、ここに来た暴漢を撃退したことがあるのか」
「へいっ。もっとも、室重も夜に勝手に学校に入ったということで、咎めを受けましたが……」
「ふうん……」
ミルキュリアは、もしや哀徒が自分を、その暴漢と同列に見ているのではないかと疑った。やはり一刻も早く捕え、厳重な調教を施す必要があるだろう。
「それから、外見があの通りなものですから、男扱いされないこともよくあります。それでいて普段の行いが行いなものですから、『襄海の鬼姫御寮』などと呼ばれることも……」
「ほほう。なるほど……」
と、夢中になって哀徒に関する話を聞いていたミルキュリアであったが、やがて己の失策に気付くことになった。何故なら、不意に背後から、ミルキュリアにとって聞きたくない声が聞こえてきたからである。
「あっ。おい、ミルキュリア。こんなとこで何やってんだ?」
「うっ、ヘティラ……!」
しまった。部屋に入ってから相手に話をさせればよかった。後悔するミルキュリアであったが、もう後の祭りである。ずかずか近寄ってきたヘティラが、林崎の顔を見て言った。
「あれっ? そいつ、哀徒が担いでた奴じゃねえか。何でこんなところに連れて来てんだよ?」
「…………」
やはり、林崎を元の部屋から動かしたのは哀徒だったか。ヘティラの言葉でそう確信できたミルキュリアだったが、同時に自分が窮地に立たされているのを感じていた。
もうすぐ哀徒がここに来てしまう。
早々にヘティラを追い返さないと、独占的に調教することができない。
「おい。聞いてんのかよ、ミルキュリア。何でそいつがここにいるんだ?」
「……いや、その、何だ。いつまでもあの場所に転がしておいたら、いつ哀徒に奪い返されるか分からないだろう? だから、これから別の場所に連れて行き、そこでまた眠らせるのだ」
「?」
ヘティラが現れて以来、ずっと無言でいた林崎は、ミルキュリアの言葉を聞いて怪訝な顔をした。先刻のミルキュリアの口振りでは、哀徒をここで待ち受ける様子だったからだろう。
「!」
「ん?」
そして、そんな林崎の表情の変化を見逃す、ミルキュリアとヘティラではなかった。
ドコオッ!!
ミルキュリアは、猛烈な蹴りを林崎の首筋に命中させた。林崎は声すら上げることなく床に崩れ落ち、そのまま動かなくなる。言うまでもなく、これ以上余計なことを漏らさせないよう沈黙させたのだ。
だが、ヘティラの心の中で、疑念はすでに湧いてしまった様子だった。
「なあ、ミルキュリア……あたしに何か隠してねえか?」
「な、何も隠してなどいない。それよりお前こそ、どうしてここにいるんだ?」

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