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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 64

「男にしては強いのは分かっている。弱点は何だ?」
「そ、それは……ええと……大体の喧嘩には勝っているようですが、一回だけ他校の生徒と喧嘩をして引き分けになったことが……」
「ふん。もういい」
それ以上聞く価値なしと判断したのか、ミルキュリアは林崎の話を手で遮った。そして次の質問に移る。
「哀徒は、どんな女が好きなのだ?」
「え? そ、それは……」
林崎は言葉に窮する。哀徒の弱点以上に、女性の好みなど知らなかった。だが、今度こそ何かしら答えなければ殺される。適当に言うことにした。
「え、ええと……た、確か……年下の小柄な女の子がいいとか言っていたような……」
刹那、ミルキュリアの顔が紅潮し、額に青筋がくっきりと浮かんだ。無言のまま、林崎の顔面に容赦ない蹴りを入れる。
ドグシャッ!
「ぐぼあっ!!」
「やはり貴様は、生かす価値のない男のようだ。即刻処刑を取り行う」
激怒の表情を浮かべたまま、ミルキュリアが冷酷に宣告した。大量の鼻血を流しながら、またも床の上をのたうち回る林崎を傲然と見下ろしつつ、腰の剣を抜き、両手で高々と振りかぶる。
「ま、待ってください!」
ここに至り、林崎はようやく己の失策に気付いたようだった。床に跪き、両手でミルキュリアを拝みながら、必死に言葉を紡ぐ。
「さっきのは間違いでございました!」
「間違いとはどういうことだ?」
剣を振り上げたまま、ミルキュリアが尋ねる。今や命旦夕に迫った林崎は、一縷の望みを託して、先程とは逆の返答をした。
「ほ、本当は、年上で背の高い女性が好みだと言っておりました!」
「確かか? それは」
「は、はいっ!」
「ふうん。そうか……」
ミルキュリアの表情から、険しさがわずかに消えた。
「他に何か言っていなかったか? 例えば、金髪で髪の長い女が好きだとか」
「い、言っておりました!」
もはや手段を選んでいられない林崎は、一も二もなく相手の言葉に追従した。それを聞いて、ミルキュリアの顔が少し綻ぶ。
「クク……そうか。特別胸の豊かな女が好きだとは言っていなかったか?」
「そ、それも言っておりました!」
「クククク。そうかそうか……」
ミルキュリアは満足げに笑みを浮かべ、剣を下ろした。
そして林崎に向かい、厳かに告げる。
「最初の私への虚言は、万死に値する。だが、このミルキュリアの特別の慈悲を以て、罪一等を減じてやろう。その命、しばらく預けてやる」
「へえっ、へへえっ! ありがたき幸せでございます!」
当面の命の危機を脱した林崎は、平蜘蛛のように這いつくばってミルキュリアに頭を下げた。仕方ないこととは言え、その姿のどこにも教師としての威厳は見い出せない。
「後は何でもいい。哀徒について知っていることを、全て話せ」
「へへいっ!」

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