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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 61

「くっ。ここにもいないか……」
ミルキュリアは哀徒の姿を求め、第一校舎棟の中を歩き回っていた。だが、部室棟にいる哀徒が見つかるはずもない。
「早くしないと、私の大事な奴隷がヘティラかグーランスに捕まってしまう。いや、もしかすると今こうしている間に……」
2人のうちのどちらかが、哀徒に非道な凌辱(ミルキュリア視点)を加えているかもしれない。焦りは募り、巨大な胸は締め付けられるように痛んだ。
「このまま当てもなく探していては駄目だ。哀徒の居場所を突き止めるか、哀徒を誘き出す方法を考えなければ……」
ミルキュリアが方針の転換を考え始めたとき、彼女の眼にあるものが飛び込んできた。前方の床の上に、人影らしいものが横たわっているのである。
「まさか、哀徒?」
だがすぐに、人影は哀徒と似ても似つかない背格好だと分かった。言うまでもなく人影の正体は、哀徒が運んでいた、あの林崎先生である。
「この男は私が眠らせたはず。どうしてここに……?」
ミルキュリアは怪訝な表情で、しばし考え込んだ。
男の意識を奪った術(哀徒が口の中を噛んで防いだのと同じもの)は、一定の時間が過ぎるかミルキュリア自身が解かない限り、解けるものではない。つまり、誰かがこの男を運んでここまできたということだ。
「そんなことをするのは、哀徒しかいない。なるほど。読めたぞ……」
おそらく、哀徒はこの男をどこかに避難させようとしていたのだろう。そこをヘティラに襲撃され、已む無くこの場に置いて逃走した。そうに違いないとミルキュリアは考える。
「ククク……そうか。哀徒はこの男を助けたいと思っているのか。だとすると……」
哀徒を誘き出すのに、この男は使えるかも知れない。ミルキュリアの顔に、凶悪な笑みが浮かんだ。
「クク……」
ミルキュリアは右手の人差指を伸ばし、林崎の頭に突き付けると、おもむろに呪文を唱え始めた。
「§÷×η……」
ボウッ……
指先が淡い光を放つ。その光が収まったとき、林崎の体がビクリと動いた。
「ううっ。ここは……?」
「起きろ」
ゴスッ
ミルキュリアはいきなり、林崎の脇腹を蹴り付けた。痛みで意識がはっきりしたらしい林崎は、ミルキュリアを見上げて驚愕の表情を浮かべる。
「うわっ! あ、あんたは……」
「控えろ下郎。頭が高い」
ドガッ!
「へぶうっ!」
フラフラと立ち上がりかけた林崎の顔面に、ミルキュリアの蹴りがもろに入った。鼻血を噴き出しながら倒れた林崎は、床の上を苦痛にのたうち回る。
「ひいっ! ひいいっ!」
「黙れ」
ミルキュリアは腰の剣を抜き、林崎の喉笛に突き付けた。林崎はもう一言も発することができず、金魚のように口をパクパクさせる。
「お前は今から、私の質問に答えるときのみ口を開け。それ以外のことで、その耳障りな声を出したら承知しない」

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