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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 46

学校の中と外の出入りを遮断する目的で、かけられているのは間違いない。おそらくここだけでなく、学校の周囲全部を封鎖しているのだろう。
――でも、俺が学校に来たときは普通に入れた。こんな魔法の妨害なんか受けなかった……
これは一体どういうことか。哀徒は二つの可能性があると考えた。
まず一つは、哀徒が学校に入った後で、この魔法がかけられたという可能性。もう一つは、校内に入ることはできるが、出ることはできない仕組みになっているという可能性だ。今の哀徒に、どちらかは分からない。
分かるのは、前者ならまだしも、後者だったらより一大事だということだ。もう何時間かすれば夜が明ける。明日は平日だから、先生や生徒達が学校へとやって来るだろう。何も知らないままで。
そして、彼らは門を通り、ミルキュリア達と遭遇することになる。そのとき彼らの身に、一体何が起きるだろうか。
少なくとも、“セックスを強制された挙句、番がどうのと訳の分からないことを言われました”で済むはずがないと哀徒は考えた。ミルキュリア達の目的にもよるが、到底耐え難いような目に遭わされるのは、まず間違いないだろう。
――それだけは、どんなことをしてでも阻止しないと。
では自分に、何ができるだろうか。哀徒は自問自答した。あの三人を打ち負かすか、この学校から叩き出すことができるだろうか。
できないであろうと思う。
では、彼女達のうち一人か二人を行動不能にし、作戦が続けられないようにすることはできるだろうか。
多分、それもできないだろう。まだミルキュリア達の実力全部を把握しているわけではないが、自分より遥かに勝っていることははっきり分かる。哀徒だって、伊達に武道や格闘技をやっているわけではないのだ。
――でも、だからと言って望みがない訳じゃない。
力ずくで追い出せないなら、彼女達が自分から出て行くように仕向けるしかない。そのためにはどうすればいいか。
――答えは一つ。この学校の生徒は、どんなに戦力差がある相手にでも、死を恐れずに立ち向かっていく。あいつらにそう思わせることだ。
哀徒の立てたプランはこうだった。まず哀徒がミルキュリア達に再び戦闘を挑み、殺されるまで戦う。もちろん、彼女達にできる限りの苦戦を強いた上でだ。
さて、哀徒を叩き殺した後、ミルキュリア達はどう考えるだろうか。
十中八九、単に邪魔な餓鬼を片付けたと思うだけだろう。だがもしかしたら、哀徒はこの学校で特別な存在ではなく、生徒全員が同じような戦闘能力を持っていると錯覚してくれるかも知れない。哀徒はそこに一縷の望みを託していた。
もしそうなれば、彼女達は何百人もの生徒と戦って殺してまで、作戦を続けるべきかどうか検討しなければならなくなる。その結果撤収という結論が出る可能性も、まあ、ないとは言えないんじゃないかと思う。

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