PiPi's World 投稿小説

学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 37
 39
の最後へ

学校で死のう! 39

「へへ……凄いだろ? 哀徒のおかげだぜ」
「ああ……」
哀徒は泣きたくなった。短期決戦で仕留めるはずが無残に敗北し、挙句の果てにパワーアップまでされるとは。最悪にも程がある。
だが、彼にとっての悪夢はこれで終わらなかった。
「なあ哀徒……」
「えっ、何……?」
ヘティラがまた哀徒に近づき、馬乗りになってきたのである。今度は何をされるのかと訝る哀徒に、彼女は妙なことを聞いてきた。
「お前、さっきあたしのブラ剥ぎ取ったよな?」
「え? あれはそっちが勝手に……」
「剥ぎ取ったよな?」
お互いの息がかかるほど顔を近づけ、ヘティラは再度問いかけてきた。口元にこそ笑みらしいものが浮かんでいるが、眼は全く笑っていない。その上彼女の両手は哀徒の首にかかっていた。どうやらここは事実を無視し、話を合わせないといけないようだ。
「は、はい。剥ぎ取りました……」
「うんうん。そうだよな」
すると、何故かヘティラの機嫌は目に見えてよくなった。彼女は次の質問を哀徒にぶつける。
「それからお前、ずっとあたしの胸見てたよな?」
「え、ええ。見ていました……」
「やっぱりな。ということはつまり、あたしがそれだけ雌として魅力的だってことだよな?」
いいえ、あなたの胸は大き過ぎてぶっちゃけキモいです。そう言えたらどんなに爽快だろうと思いつつ、哀徒は口を開いた。
「は、はい。魅力的です……」
「そ、そうか……」
ヘティラは赤くなって下を向いた。もしかしたら恥じらっているのかも知れない。彼女はそのまま別の質問をする。
「そ、それじゃお前、あたしと番(つがい)になりたいか?」
「い、いえ。自分如きにあなたはもったいな……ぐえっ!」
反射的に拒絶の返答をしてしまった哀徒は、一瞬で呼吸を止められた。数秒で解放されたものの、目の前には再びヘティラの鬼気迫る表情がアップになっている。
「悪い。よく聞こえなかった。もう一度言ってくれ」
「ぜ、ぜひ僕と結婚してください……」
息も絶え絶えになりながら、哀徒はようやくのことで返答した。それを聞いたヘティラの顔に、にわかに歓喜の色が浮かぶ。
「ほ、本当か?」
「は、はい……」
――何がしたいんだ、この人は?
哀徒はもう訳が分からなかった。
「そ、そうか。そんなに哀徒はあたしと番になりたいのか……」
一人で勝手に納得し、うんうんと頷くヘティラ。
「ようし、それじゃ仕方ないな。番になってやるよ。情け深いあたしに、感謝するんだな!」
「はい。ありがとうございます……」
今は逆らっても無駄だろう。そう思った哀徒は唯々諾々とお礼を言った。
「うへへへへ。いいっていいって。ちょっと待ってろよ。うへへへへ……」
下卑た笑い声を上げると、ヘティラは眼を閉じた。そして右手の指を自分の眉間に当て、何やら呪文を唱え始める。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す