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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 35

その隙を見逃す大女ではなかった。彼女は哀徒の足を払いのけ、馬乗りになって彼を押さえ付ける。哀徒が我に返った時には、すでに大女の両脛が彼の胴体をガッチリと挟み付けていた。
――しまった!
悔やんでももう遅い。圧倒的に不利な体勢だ。哀徒は足を踏ん張って腰を跳ね上げ、どうにか相手をひっくり返そうと試みた。だが体格差がありすぎて、なかなか組み敷かれた状態から脱出することができない。
「ふんっ!」
大女は拳を立て続けに振り下し、哀徒の頭を狙った。哀徒は両腕でガードを固め、どうにか直撃だけは免れる。
「うお!」
だが何発も受けているうちに、両腕が痺れて使い物にならなくなった。
――これはまずいぞ!
「ジタバタするんじゃねえ!」
大女の攻撃は止まらない。防ぐ手段のなくなった哀徒は、殴られるまま頭に拳を受けてしまう。
ガツッ!
哀徒は頭がクラクラするのと同時に、体の自由が利かなくなるのを感じた。軽い脳震盪だ。ちなみに、一秒でも意識を失ったら中程度以上の脳震盪である。
「が……」
哀徒は抵抗力を根こそぎ奪われ、ぐったりとして動かなくなった。それを見た大女が勝ち誇ったように口を開く。
「へっへっへ……あたしの勝ちだな。だから言っただろ? お前に勝ち目なんかないって」
彼女は哀徒の肩にかかっていた鞄を外し、どこかへ放り投げた。続いて何かを探すように周囲を見回す。
「ええと……おっ、あった」
――何だ……?
哀徒は早く体の動きを回復させようと、必死に深呼吸を繰り返していた。同時に相手の様子をうかがい、何をするのか見守る。大女は哀徒の上から立ち上がると、廊下備え付けの傘立てに向って歩いていった。そこには誰かが忘れていったビニール傘が、数本置いてある。
――傘……?
大女は傘を一張り手に取ると、無造作に握りの部分をもぎ取った。さらに中間辺りを両手で握り、真っ二つにねじ切る。
「なっ……」
相変わらずの怪力ぶりだった。今のうちに何とか逃げられないかと考える哀徒だが、無情にも体はまだ言う事を聞いてくれない。大女は哀徒の所まで戻り、再び馬乗りに押さえ付けた。
「ふっふっふ……」
彼女は二つになった傘のなれの果てを、それぞれU字型に変形させる。続いてそれらを一度床に置き、哀徒の両腕を左右に広げさせた。
「あ……」
「ふんっ!」
ガン! ドン! ガン! ドン!
大女は傘の残骸を一つずつ床に打ち込み、拳で叩いてさらに深く沈み込ませた。それらはそれぞれ哀徒の手首を跨いでおり、彼の体は磔にされたように床に固定されてしまう。これでは体が動くようになっても、そう簡単には逃げられないだろう。
「ひっ……」
「おおっと、大声出すなよ」
大女は人差し指で哀徒の口を塞いだ。
「叫んだって、来るのはミルキュリアとグーランスだけだ。それじゃお前だって困るだろ? それにあたしだって、もうしばらくお前と二人だけがいいんだよ」
――!!

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