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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 20

赤く変色した事に気が付いたのは、哀徒に向かって最初に水流を発射した時である。だがミルキュリアの力説にも関わらず、ヘティラとグーランスは未だ半信半疑の様子であった。
「グーランス。さっきお前のそれ反応してたか?」
「いいえ。と言うか急な事で見る余裕がありませんでしたわ」
二人は自分達の手の甲を見つめた。ミルキュリアがしているのと同じ形の指輪が彼女達の指にもある。三人とも同じ物を持っているようだ。
それはともかく、ミルキュリアは言葉で仲間を説得する事を諦めた。無造作に手を伸ばして壁に掌を向ける。
「見ていろ」
「あん?」
「ミルキュリア、あなた何を……?」
いぶかる二人に構わず、ミルキュリアは呪文を唱えて水流を発射した。
バシュッ!
ドガアッ!
壁が砕け散った。水煙が収まると子供がくぐれる程度の穴が開いているのが分かる。強化された水流の威力を目の当たりにして、ヘティラとグーランスは初めて動揺を見せた。
「なっ、何だと……」
「まさか、そんな……」
「どうだ? これでもまだ信じられないか?」
ミルキュリアが自信たっぷりに問いかけると、仲間二人はようやく彼女の言い分を認めた。
「ぐっ……分かった。疑って悪かったよ」
「今のを見せられては、先程の方が『至神』であると信じざるを得ませんわね。どうしてこのような時間にここにいらしたのかは存じませんけど」
「そう言えばそうだな。ここってこの世界の学校なんだろ? まさかわざわざ向こうからあたしらに会いに来てくれたなんて事は……」
「ヘティラ……お前さっき自分で言った事忘れてるだろう?」
「え? 何が?」
「……もういい。どうして今の彼、室重哀徒がここにいたのかは私にも分からない。だがそんな事は今考えなくても、もう一度捕まえてから聞き出せばいいだけの事だ」
「まあ、そうだな……」
ミルキュリアの言葉にうなずくヘティラ。だがグーランスは耳ざとく言葉尻を捕えた。
「ちょっとお待ちくださいまし。もう一度という事は、一度は捕えたという事ですの?」
「ああ、その通りだが」
「……つまりミルキュリア。あなたは『至神』を捕えていながらわたくし達に知らせもせず、一人で勝手にその力を手に入れた挙句まんまと逃げられてしまったと。そういう事ですの?」
「……そういう事になるか」
「ミルキュリア、てめえ……」
実情を知ったヘティラが再びミルキュリアに詰め寄った。さすがに今度はミルキュリアも一歩後ずさる。
「ま、待て二人とも。話せば分かる」
「「問答無用!!」」
ボグシャー!!
ヘティラとグーランス、二人の拳がミルキュリアの顔面に炸裂した。

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