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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 19

窓から首を出して哀徒を探そうとしたミルキュリアが悔しそうに吐き捨てた。首を引っ込め仲間二人に憎憎しげに毒づく。
「肝心な所で邪魔をしてくれたな。もう少しで手なずけられたのに…」
何が根拠なのか知らないが、彼女はもう少しで哀徒と和解できたと思っているようだ。しかし事情がよく分からない二人としては「はあ?」という顔になるしかない。
「何言ってんだミルキュリア。今の女は…?」
二人の女性の一方がミルキュリアに尋ねた。
「いやヘティラ、あれは男だ」
「嘘だろ。あれでかよ?」
ヘティラと呼ばれた女性は驚愕の表情をした。彼女はミルキュリア以上に長身である。おそらく190センチはあるだろう。茶色の髪を短く刈り揃え、うっすらと筋肉が浮き出た体を毛皮のブラとパンツのような物で覆っている。ミルキュリアと異なり、武器の類は持っていない。
「どういう事か説明していただけます?ミルキュリア」
残された一人、グーランスが口を開いた。彼女は他の二人よりは背が低く、170センチ台の半ばぐらい。黒いストレートの髪は腰まで伸びている。
服装はレオタードのような物の上に袖無しの長衣を羽織っており、先が三つに分かれた短めの槍を携えていた。ちなみにヘティラもグーランスも、ミルキュリアには一歩及ばないものの相当な胸の豊かさを誇っている。
それはさておき、ミルキュリアは仲間の二人に事情を話し始めた。
「聞いて驚け。今の男、あいつが『至神』だ」
「おいおいミルキュリア……そんな都合のいい事起こる訳ねえだろ?夢でも見てんじゃねえのか」
ヘティラが呆れ顔で一蹴する。だがミルキュリアはそんな彼女に憐れむような眼差しを向けた。
「どうやらお前は、目の前に運命の男が現れてもそれに気付かず行き遅れるタイプのようだな……」
「ああ?喧嘩売ってんのかミルキュリア!?」
ヘティラは声を低くしてミルキュリアに詰め寄った。拳を握り今にも殴りかからんばかりだ。どうやらかなりキレ易い性格らしい。もっともミルキュリアはそんなヘティラの剣幕に少しも怯まなかった。
「だったらどうした?」
「何だとコラ!殺すぞ!」
見る見るうちに一触即発である。見かねたグーランスがとうとう割って入った。
「ちょっと……お止めくださいましお二人とも。喧嘩をしにわざわざこの世界に来た訳ではありませんわよ、わたくし達」
「ふん……」
「ケッ……」
二人は不承不承和睦した。続いてグーランスはミルキュリアが先刻言った事を問いただす。
「ミルキュリア、本当なんですの?さっきの方が『至神』だと言うのは」
「ああ。これが反応して赤くなったんだ。間違いない」
ミルキュリアは右手の甲側を二人に見せた。彼女の中指には宝石らしき物の付いた指輪がはめられている。宝石は月明かりを受け、今は青い輝きを放っていた。

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