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学校で死のう!
官能リレー小説 - ファンタジー系

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学校で死のう! 16

「警察…?」
「不法侵入に銃刀法違反、それに傷害未遂ってとこかな。まあ日本の刑務所は他の国のより快適だから、何年か知らないけど気軽にステイしていったらいいんじゃない?」
自分のことを10メートル上の棚に上げ、哀徒はミルキュリアの罪状を言い募った。他に強制猥褻もあるのだが、さすがに恥ずかしいのでこれは隠蔽決定である。
「…………」
「それじゃ、また後で」
哀徒はこの時携帯電話を持っていなかった。どこかにある学校の電話を使うため、彼はミルキュリアに背を向けて走り出す。
パッ…
だが10メートルも走らないうちに、彼は自分の背後で何かが光ったように感じた。
「?」
振り返った哀徒は驚愕した。ミルキュリアの両手を縛っているワイシャツに火が着き、メラメラと燃えているのだ。
「何だと!?」
妙なことに、自分の手が燃えているにも関わらずミルキュリアは一向に動じた様子を見せない。それどころか哀徒の方を向いて笑みさえ浮かべている。
「クク…」
慌てて火を消そうと走り寄った哀徒の目の前でワイシャツは燃え尽き、ミルキュリアの両手は自由になった。
――畜生、これで元の木阿弥か!
哀徒は歯噛みした。一度大きく飛び退いて距離を取り、両手を構えて相手の攻撃に備える。だがミルキュリアは哀徒の方を向いてニヤニヤ笑うばかりで特に行動は起こさない。
「……?」
てっきり彼女が激怒して襲い掛かって来るものと思っていた哀徒は拍子抜けした。こちらから攻撃を仕掛けるべきかどうか迷うが、その前に気になることを尋ねてみる。
「あのさ…ずいぶん派手に燃えてたけど、手大丈夫なの?」
「ああ、別に何ともないな」
ミルキュリアは至って平然と答えた。哀徒はもう一つの質問をぶつけてみる。
「一体どうやって火を着けたのかな?」
「どうやって…?そう言えば教えてやる約束だったな。あれは魔法を使ったんだ。もっとも哀徒には分からないかも知れないが…」
「魔法……」
常識で考えればふざけた答えである。普段の哀徒なら『あんたクスリでもやってるんじゃないの?』くらいは言っただろう。だが今は違った。
魔法と言われればそうかも知れないと思えるほど異様なことは、確かに起きている。
ワイシャツに放火するにしてもあのワンピースには何の仕掛けもなかった。
そう言えば電撃を出すのに使ったはずのスタンガンもどこにもない。
――どうなんだ、本当は……?
哀徒は苦悩した。そんな哀徒に向かってミルキュリアはさらに言葉を続ける。
「ククク…信じられないのも無理はない。ではもう一度見せてやろう」
そう言うとミルキュリアは自分と哀徒の中間辺りの床を指差した。
「え、まさか…?」
「йЯ塔ノ‰…」
ミルキュリアの口から呪文が流れる。次の瞬間彼女の指先から水流が迸った。
――嘘だろう、おい!

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