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蛮族の物語
官能リレー小説 - ファンタジー系

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蛮族の物語 3

他の若者もジェズスに倣い、自らの腰ミノを放り投げていく。
そして彼等は一糸まとわぬ姿になると、萎えたままの肉槍を扱き始めたのだ。
「ウォオォオオオッ!」
「ウアアァアアッ!」
「アアアアアアアア〜ッ!」
雄叫びを上げながら若者達が肉槍を扱いていく。だが、やはり一向に固くなる気配すらない。
次第に若者達の顔に焦りと恐怖が滲み始めてきた。このままでは下山できず、ゴドンや他の者たちの笑い者になってしまう。
腰ミノも失われ、全裸で下山するしか無いのだが今の彼等にはそんな事すら想像出来なくなっていた。
もはや若者達に出来ることは、自らに女神の祝福があることを祈ることだけだった。
だが、祈りも虚しく肉槍は全く反応を見せない。むしろ、先程よりも緊張と不安が高まっているようにさえ思えた。
「くそぉおおおっ!俺が何をしたって言うんだぁあっ!」
どうして女神に拒絶されなきゃならないのか、ジェズスが絶叫する。
それにつられてか、彼の周りに集まった若者も口々に不満を訴えだしたのだ。
女神の祝福どころか、まるで呪いを受けているようだとまで言い出す者まで現れる始末だった。
確かにこの異常な状況は、祝福とは対極にあるように思える。
とにかく彼等は儀式をする事も下山する事も叶わず、ただその場に立ち尽くすしかなかったのだ。
それからどれだけの時間が流れたのだろう。彼等にはそれが永遠の時間のように感じられていた。
そろそろ儀式から戻ってこない若者達を捜索しに来る頃だろうと、ジェズスはぼんやり考えていた。
その時、突然強い風が吹き荒れた。
それは嵐のような強風で、あまりの強さにジェズス達は思わず目を閉じてしまったのだ。
しばらくして風が止むのを感じたジェズスは、恐る恐る目を開く。
目の前の光景が一変をしていた。
ゴツゴツとした岩山は全く見えず、どこを向いても緑と黒のまだら模様の壁が見えるだけだ。その模様はうねうねと蠢いており、明らかに自然のものではない事が分かる。
巨大な球体の中にジェズス達は飲み込まれてしまっていたのだ。
「な、何なんだこれは!」
誰かが叫んだが、答えられるものは居なかった。その声も何処かに吸い込まれるようにして消えていく。

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