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住み着いた奴は…
官能リレー小説 - ファンタジー系

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住み着いた奴は… 2

「ところで、お前はこの建物に住んでると言ったな?」
俺は話を切り替える。
「そうだが?それがどうかしたのか?」
「お前の目的はなんだ?」
俺は単刀直入に聞いた。
「目的だと?面白いことを言うな貴様、なりゆきで住む羽目になっちまっただけなのになぁ」
ルーガンは豪快に笑った後、急に真面目な顔になる。
「人生ってのは不思議なものよのう。ある日突然、何もかもが変わってしまう事があるのだからなぁ」
俺はその言葉を聞いて少し引っかかるものを感じた。
(何もかもが変わった?どういう意味だ?)
俺は頭の中で自問するが、答えが出るはずもない。
「色々とあったようだな」
俺はとりあえず相槌を打つ。
「ああ。本当に色んな事がな」
ルーガンは遠い目をして呟く。
「例えばどんな事があったんだ?」
俺は質問を続ける。
「聞きたいのか?それなら教えてやろう」
そう言ってルーガンは自分の過去を語り始めた。
ルーガンは元々は人間だったらしい。
冒険者ギルドに所属していて、ランクはBだった。
仲間と共に数々の依頼をこなしていたのだが、ある時を境に仲違いしてしまったのだという。
ルーガンのパーティメンバーである女魔法使いと、男の戦士が駆け落ちした為だ。
二人と連絡が取れなくなった事で、ルーガンは二人の身を案じて探しに行ったのだが見つからなかった。
ルーガンの巻き込まれた事はこれだけではない。駆け落ちした二人は実は盗賊団の一員だったらしく、ルーガンを利用する為にパーティを組んでいたのだ。
結局ルーガンは騙され続けた挙句に捨てられたというわけだ。
それからというもの、ルーガンの心にはぽっかり穴が開いたような気分になった。何をしていても楽しく感じず、虚無感だけが残った。そして、いつしか生きる希望も無くしていたのである。
そんな気持ちを抱えながら日々を過ごすうちに、オーク達の集落に辿り着いていた。最初は抵抗感があったが、ここで暮らす内に考え方も変わっていった。
それに合わせて、ルーガンの肉体も魔物へと変化していったのだ。
ルーガンはオーク達の言葉を覚えていき、少しではあるがコミュニケーションが取れるようになった。

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