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螺旋のコロシアム
官能リレー小説 - ファンタジー系

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螺旋のコロシアム 2

聞き間違いだろうかと思い、確認する。
「あの、すみません。相棒とはどういう意味ですか?」
「言葉通りの意味があるぞ。俺は今日の戦いでお前の強さを認めた。だから一緒に鍛練をしたいと思っている。それに…」
そこで言葉を切って、真剣な眼差しで俺を見つめた。
「同じ男として、何か通じるものを感じたんだよ」
…そう言われて悪い気がしない自分がいる。
俺も同じ気持ちだったからだ。
「分かりました。こちらからもお願いします」
こうして、俺はイラルと共に行動する事になった。
イラルに連れられてやってきたのは、街からかなり離れた所にある大きな洞窟だった。
なんでもここは修行場らしく、時折ここで訓練を行うのだという。
「ここなら誰も来ないし、存分に鍛えられるぞ」
確かに、周囲には人影一つ見当たらない。イラルと俺は洞窟に足を踏み入れた。
中はかなり暗く、ひんやりとした空気に包まれている。
しばらく歩くと、前方に明かりが見えてきた。どうやら目的地に着いたようだ。
そこは開けた空間になっており、天井からは幾筋もの水が滝となって流れ落ちていた。
水滴の一つ一つが日の光を受けて輝き、幻想的な雰囲気を作り出している。
「綺麗ですね…」
思わず呟くと、隣でイラルが笑った。
「敬語じゃなくていいぞ。これから一緒に行動するんだからな」
「分かった」
そう言うと、彼は満足げにうなずいた。
それから、二人で早速特訓を始める事にした。
イラルによると、まずは滝で精神集中を行い、心身共にリラックスするのが大事らしい。
言われた通りに、ゆっくりと深呼吸をしてみる。
冷たい空気が肺を満たし、頭をクリアーにしてくれる感じがした。
そのままの状態で、身体に意識を向ける。すると、全身を巡る血液の流れを感じ取る事が出来た。
これがいわゆる"氣"というものなのかもしれない。
試しにその感覚を意識してみると、少しずつだが力がみなぎってくるような気がした。
「掴めてきたようだな。この状態のまま、滝に入るぞ」
そう言いながらイラルは服を脱いでいく。イラルのペースに乗せられている俺は、ためらいなく何もかも脱ぎ捨ててしまう。
そして、二人並んで滝の中に入った。最初は冷たくてビックリしたが、すぐに慣れてくる。
水の心地良い感触に身を委ねると、心の底まで洗われるようだった。

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