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遥かなる希望の地にて
官能リレー小説 - ファンタジー系

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遥かなる希望の地にて 5

魔法でも掘り返しては、掘り出した土を固めてブロック化し後で塀などに使うのだ。
シャンド・ラーサ号と浜辺を往復するボートもいる。
陸へ来るときには資材を、船に戻るときには、水を載せている。
近くに川があり、そこから汲んできておいたものだ。サラート達の備蓄分でもあったので、今はさらに人をやって水を汲みに行かせている。いずれ井戸も掘ることになるだろう。
「サラート、狩りをしても大丈夫だろうな?」
「問題ありません。たまにグリフォンが出てくる以外は、一頭ずつ狩れば良いのです。
熊肉の鍋や、牛の焼肉や干し肉を我らも食べていますよ。あっちでは一応、野菜も作っています。」
サラートが指さす先には、小さいが駐屯兵達が開墾した畑が出来ている。
「本当はもう少し広げるつもりだったんですが」
少し恥じ入るように、サラートが言った。
「いや、何があるかわからないこの地で警戒しながらの開墾だろう。ここまでできただけでも上出来だ」
「ありがたきお言葉にございます」

サラート達が橋頭堡をまもっていたおかげで、俺達シャンド・ラーサ号で来た者も、拠点づくりがしやすい。彼らの働きはすばらしいものだ。シャンド・ラーサ号が帰る時には、彼らの叙勲の申請書を報告書に添えよう。
ここに住居を構えるべく移民してきた者達を護衛する警備隊だけではなく、周辺のパトロールに向かう一隊も編成した。
「シャイラー!」
「はっ!」
俺が呼ぶと、武装した士官がやってきた。パトロール任務に当たる騎兵隊の隊長、シャイラーだ。ベテランの騎兵である彼なら、こうした任務を任せられる。
「馬の用意はできたか」
「とっくにできております」
「周辺の巡回警備は任せる。頼んだぞ」
「はっ!」
「おまちくださいな」
シャイラーと俺に声をかけてくる女性がいた。
移民者たちのうち、女性陣のまとめ役のアンジェラだ。30過ぎの綺麗な女で、姉御肌で女性陣から慕われている。
「パトロール隊のみんなも、ご飯食べて行ってよ。腹が減っては戦はできないよ」
アンジェラの後ろには、食事を乗せた台車を押した女性数人がいた。
「ん、そうだな。せっかくだ。食べてからでも遅くはない。ありがたくいただこう」
「はっ!」

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