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空色の小屋
官能リレー小説 - ファンタジー系

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空色の小屋 7

そして、ダレスの鎧や着衣だけが吐き出されていく。どうやら中のダレスは裸になっているようだ。
ルフェーブは、球体の塊になった草をかき分けるようにして潜り込んでいく。
「おい、ダレス!無事か!」
ルフェーブはダレスの腕を掴んだ。
そのまま引きずり出そうとしたのだが、逆に草の塊に飲み込まれていってしまう。
「ぬおおお!」
ルフェーブの姿も見えなくなった。
それからすぐに草の塊がルフェーブの鎧の残骸を吐き捨てていく。
草の球体の内部にはダレスとルフェーブが全裸にされて浮かんでいた。
「なんなんだ?何が起きたんだ?」
「わからん、だが危険な状態なのは間違いない、すぐに脱出しないと…」
ダレスは何とか体を動かしてみるが、全く自由が利かない。ルフェーブも同様だった。
「ルフェーブ、お前の力でどうにか出来ないか?」
「この状況が予想外すぎてワシにも対処法など分からん」
「そうなのか…。仕方ないな、しばらくはこのままの状態でいるしかないらしいな」
「死ぬかもしれないのに、お前は随分と冷静だな…」
「これは聖なる牧草なんだろ?それが人に害を与えるように出来ているわけはないはず…と思いたいが…」
「そうだと良いのだが…」
ルフェーブも覚悟を決めたようで目を閉じる。まるで聖なる牧草を受け入れるかのように。
どちらかともなく二人は手を繋いでいた。
ルフェーブの手はとても大きく感じられ、ダレスは聖牛に守られているという安心感があった。
ルフェーブの方も自分を越える程の潜在能力を秘めたダレスと共に居られる事が心強かった。
草の塊の中でダレスはルフェーブの雄大な肉体にしがみついていた。
今まで出会った人間のどの男とも違うと感じる。
聖牛だからこそ、人間の尺度で表す事が出来ないのだろう…ダレスはそんな風に考えた。

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