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空色の小屋
官能リレー小説 - ファンタジー系

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空色の小屋 3

女が口を開く。
「あなた方は私に何をして欲しいのですか?」
「カラサントス山に異変が生じている小屋がある。その調査を行いたいのだ」
「その内部に何があるのか見極める必要があります」
重戦士と剣士が答えた。
「お前に頼めばどうにかなるか?」
「おそらくは」
女は答えた。そして三人を順番に見つめ、最後に問いかける。
「どうして私なのか聞いてもいいでしょうか?」
真っ先に魔女が答える。
「貴方は我々と同い年、それなのに奇跡を扱える。それだけで充分よ」
「それは……たまたまですよ」
女は微笑む。だがそれは作り笑いであるのが明らかだった。
「では自己紹介といこうか、お互いに名前を知らないというのは不都合だからな。俺は重戦士のダレス。このパーティーのリーダーをしている」
「私は剣士のアジェルア、こっちは魔術師のミレルよ」
「私の名はラファーティと申します。神官ですが、まだ修行中の身です」

その時、部屋に誰かが入ってきた。牛の仮面を付けた大男である。
「話は聞かせてもらったぞ」
「誰だアンタは?」
「この方は教団の幹部で、聖牛のルフェーブ様です」
教団幹部が直々に出てきただけでも驚くのに、しかもその幹部は聖牛と呼ばれている。ダレスは話が妙な方向へと向かっていると思った。
「カラサントス山への調査を行うのだな?」
「はい」
ラファーティが答えた。
「ならばワシも同行しようではないか」
「ルフェーブ様…?」
一同は呆気に取られた。
「よろしいのですか?」
「構わん。どうせ暇なのだ。それに、もしワシの期待通りに事が運べば教団の地位も上がるというものよ」
ダレスはラファーティを見た。彼女は困り顔を浮かべている。
「心配はいらぬ。無茶な事はせん。ワシも奇跡は使えるからな」
牛頭の大男は自信たっぷりに胸を叩く。
一行は翌日、カラサントス山へと向かった。
道中は安全だった。聖牛を名乗るルフェーブが先頭に立ち、敵から守ってくれた。
ダレス達はわざわざそんなことしなくてもいいのに、と思いながらも黙ってついていく。やがて小屋が見えてきた。
「あの小屋です」
ミレルが言った。
「そうか。お前はここで待っておれ。ワシが行く」
「お気をつけて…」
「ああ。皆もな」
ルフェーブはそう言って小屋の中に消えた。
「まさかこんな展開になるとは思わなかったわ」
アジェルアが言う。
「まあ、仕方ないさ。俺達だけじゃどうにもならないだろうしな」
ダレスはそう言って剣を抜いて警戒をする。

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