PiPi's World 投稿小説

地下水路
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 6
 8
の最後へ

地下水路 8

腕輪を割られた少年も相手を危険視していました。
あの状況で的確に腕輪を狙ってくるような相手は放置しておくわけにもいきません。倒された状態のまま呪文を唱え始めます。
小河にはその詠唱に聞き覚えがありました。
「この呪文は、滅んだはずの紅葉一族の使うもの…」
不思議な力を使うという理由で迫害され、突然歴史から消えた一族…それが紅葉一族でした。
彼等を滅んだものだと思っていました小河は、唖然として動きを止めてしまいます。
それが大きな隙となりました。少年の不思議な呪文は完了し、妖術が発動します。
少年の肉体に奇妙な赤い模様が浮かび上がり、小河は軽くはねのけられてしまいます。
「何が起こるんだ…?」
小河は少年を止める気は失せていました。失われたはずの術に見とれていたのです。
通路の奥からなにやら声がしたのはすぐでした。聞き覚えある声でした。
小河は後悔しました。呪文を唱えるのを黙って見ていたせいで仲間に犠牲者が出たのかも知れないからです。
「何をしたんだ?」
小河は少年に問いかけます。暴力行為に移行しなかったのは失われた技術を持つ少年を守りたいという強い意思があったからです。
意外にも紳士的な小河に少年は気を許します。
「おや、子供には暴力は振るわない主義か」
「そうではない。失われた筈の術を使いこなすお前に興味があるからだ」
「その失われた技術とやらがお前達の仲間に使われてもか?」
当然怒り出すかと思われた小河は迷い始め、少年を驚かせます。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す