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井戸の怪異
官能リレー小説 - ファンタジー系

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井戸の怪異 2

最初は数人で馬鹿笑いしながら井戸端にたむろして話し込んでるだけだったが、誰かが連絡したのか武器を背負ったのやクスリを打ってそうなの、さらには女を連れ込んで輪姦乱交しだしたりと滅茶苦茶だった。
ここが半ば枯れた井戸だったこともあり誰も近寄りたがらず衛兵も来ないため、十数人が好き放題に騒ぎ始めたのだ。
「あっ、あっ、あぁん! おぉっ、おほぉん、いいわぁんっ!」
ケバい場末の商売女がわざとらしく嬌声をあげて、媚びるようにペトル達に体を開いている。
あんな下等な女など興味も無い、とばかりに強がるデビーだがズボンの前が膨らんでいた。

下手に落ちたものが分からないせいだろうか、無駄に想像を働かせた男らによって財宝が沈んでるとでも伝わったらしかった。
いつまでも居なくならないうえに人数まで増えてしまい、いくらなんでも帰るしかないとデビーが諦めかけた時だ。
濁った水面が泡立つような音が響き渡り、青白い腕のようなものが飛び出すと周囲に居たペトル達を掴み引きずり込もうとしだした。
絶叫を上げ逃げようともがく者、自慢の武器を振り回して抵抗する者、そんな大騒ぎをよそに1人、また1人と井戸の中に消えていった。
女だけは無事らしく、何人かがデビーの方に逃げてきた。
彼女達はペトルの事を全く心配していないらしい。デビーに口汚く無理難題を押し付けるとすぐに逃げていった。
「倒せと言われても俺の剣があの中にあるんだよな」
デビーはなぜか彼等を見捨てる気になれなかった。昔はそれなりに付き合いがあったペトルに対して思うところがあるからだろう。
近所のガキで集まって、勇者と魔王に別れて決戦ごっこをしたりもした。
意外と魔王側も人気があって、みんなが笑って騒げたあの頃。
「勇者、か……一歩踏み出せば、俺もマシになれるんかねぇ」
そんな風に何かに酔って井戸の方へと踏み出し、一撃くらいは殴ってやろう睨みつけた。

俺が現れたことに気付いたのか、男らを捕らえた腕が止まる。
いつ掴まれてもいいように身構えると、井戸の真ん中から飛び出す影があった。
「ひゃはははははっ! アナタの落としたのはぁ、女神の聖剣? 邪神の魔剣? それともぉ……この男の縮んだぁ、チ・ン・ポ!? ぎゃはははぁ!!」
水草のような真っ黒な髪に濁りきった目、ギザ歯を見せつけるように笑う口は裂けてるように見える。
その肢体はグラマラスでエロティックだが、青白く水のように不安定だった。
そして……両肩から伸びた無数の腕は、ペトル達を捕らえたまま中を波打っている。
突然のことに動けず間抜けな顔で固まっていると、爆乳を揺らした怪女がさらに台詞を重ねてきた。
「おいおい、おいおぉい!! ヒトの質問にはぁちゃんと答えなさいってぇ、マンマのオッパイしゃぶりながらぁ……教わらなかったのかなぁあぁっ!? ばひゃひゃひゃひゃぁん!」
井戸から上半身だけを蛇みたいに伸ばし、俺を囲むように中に浮かぶと狂ったように笑い続けた。
頭がオカシクなりそうな現実のなか、なけなしの意地を振り絞って一言返してやる。
「いっ、いや……俺が、そこに、落としたんわっ……全財産のっ、ロングソードだぁ! バケモノッ!?」
狂笑が止み、辺り一帯が静寂に包まれた。突然伏せた顔から表情が読めないなか、こっちに近寄ってくるとしばらく向かい合った。

「ひっ、ひひっ、ひゃっははっはあぁっ!! だぁい正解だ、デビーボォイ!」
背中から生えた一回り大きい腕には、俺のロングソードが淀んだ瘴気を纏って握られていた。
「ほらよっ! これで魔王だか竜王だかの取り巻き斬って、英雄面で人生逆転して見せろっ。……代償はこいつらの精気と、お前さんの滑稽な人生だぁっ! ひゃひゃっ、命までは取らねぇから安心しなぁ!?」
絡めとられたペトル達は既に全裸にされていた。乱交騒ぎで既に全裸だった者も少なくないが…。
その目の前の化け物は、液体状の体の一部を彼等の口に入れる事で記憶を読み取る力があるらしい。ペトルの口にはウナギが穴に入り込んだかのように水の触手が差し込まれていた。
だから化け物はデビーの名前を知っていたのだ。

デビーは恐る恐る近寄る。まずは自分の剣よりもペトル達の事が心配だった。
精気って事は肉体が干からびたり、性的不能になるまでに衰弱しないだろうな…と思ってはいたのだが事態はデビーが想像するものよりかはかなりマシだった。

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