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異界のミノケンタウロスとヤリマンの旅
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異界のミノケンタウロスとヤリマンの旅 7

周囲の様子もグランの体調も聞いた話と違うため、子を生み出す目的は薄いと考えられる。
だが少年の頃に例の場所から連れ出した人物は、グランに対する興味を失ったとは言えないだろう。
最低限の警戒は残して、目の前の美女らに相対することを心に決めた。

「まぁ、それはそれは……おそらくですが、こちらのお客様の失態のようですわ」

女はグランの話を聞くと少し考えるそぶりを見せ、申し訳なさそうに頭を下げた。

「数日前、エメラルダに寄った時に新しく顧客となった方がいらっしゃるのですが、その方の転送陣が変に発動した見たいですの。アレはこちらの現在地に合わせた調整が必要ですし、登録した魔力以外は使えないのです」

話された内容どおりなら、自分は此処にいないのでは?
疑問に思い、女に聞いてみる。

「はい。ですので、変に発動したのだろうな、と。本来なら入り口に出てくるはずですし、距離だけなら街一つ分はズれてるはずなんですわ」

「うむ……つまりは原因は分からぬが、その転送陣により貴女がたの部屋に跳ばされたと?」

グランは理解できた部分のみを伝える。
己は運悪く転送陣とやらの誤作動で、これるはずの無い場所に来たらしい。

「えぇ、おそらくは。戦士様は消し忘れられた陣に乗り、ある意味運良くこちらに来られたのでしょう」

女曰く、登録地点や此処に跳ばされるのは良いほうで、運が悪ければ空中や世界の狭間に現れたかもしれないのだという。
倒せる相手ならともかく、地面に落下したり存在を保てなくなれば、流石のグランも死を免れない。

「それで、お詫びに関する話なのですが……」

此処の支配人を含めた話し合いの結果をまとめると。
一つ。安全の確保がされてないため、エメラルダに送ることは難しい。
一つ。どこかの街までの、衣食住は保障する。
一つ。グランが望めば、護衛として雇い。報酬も払う。
いわば、食客として大人しく街まで連れてかれるか、護衛としてしばらく働くか、自由に選んでいいという事らしい。
グランは、ちょうど仕事が終わったところだし、これも縁と護衛を受けることにした。

「ふふっ、それではお願いいたしますわね? ようこそ、旅する娼館『歌姫樂団』へ!」

グランはこれからしばらく自分が暮らす部屋を選ぶ。

どういうわけか空き部屋が多く、好きな構造の部屋を選ぶことが出来そうだった。
近くに居た青いドレスの女が言うには15年以上前に何人かが一斉に辞めてしまい、それから今まで部屋が余ってしまったらしい。
それはグランが生まれた時期に若干近い。
グランは空き部屋を選ぶふりをして内部を探る。自分の母親もその手の仕事をしていたと聞いていたので出生に関わるなにかが見つかるかと考えたのだ。
彼女達の部屋はケンタウロスが泊まれるように出来てはいない。一部屋だけケンタウロス用の部屋があったが、ほこりっぽくあまり使われた形跡はなかった。
とりあえずは脚部を人形にしてから、空き部屋に入る。この方がより室内を探索できる。
ケンタウロス譲りの魔法の才と父親譲りの頑強な肉体が合わさり、速さの四脚や格闘の偶蹄脚など場面にあわせて体を変えられるのである。
家具の隙間や天井裏など秘密を隠せそうな場所を探してみるが、これといったモノは見当たらない。
そもそも母親に当たる女の事情とて、噂の一つに過ぎない。
世界広しに娼館など幾らでも存在するし、モグリの出身かもしれない。
此処のように、楽団や飲食店に偽装された店などは普通には見つけられないだろう。
気にしてもしょうがないので、掃除用具と人手を借りて、ケンタウロス用の部屋を綺麗にした。
トランペットを担当しているらしい少女は明るく、慣れればグランにも優しく接してくれた。
二人で一通り部屋を掃除し終えたあと、好意に甘え背中を流してもらった。
まだまだ新人に近いらしく、練習に付き合うなら安く部屋に呼べるらしい。

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