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異界のミノケンタウロスとヤリマンの旅
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異界のミノケンタウロスとヤリマンの旅 25

ニコライは、この無防備でしかもグサグサ来る言葉を言ってくる雄が誘ってきているかのように感じた。
まさか男二人で風呂に入ろうと提案したらノコノコと付いてくるとは…仲良くなったとはいえ今日が初対面だろに…。
あまりにも警戒が無さすぎるアルヴァ、ニコライが背中のすぐ後ろで自慰を始めたのにも気づいてはいなかった。
傭兵は知らないのかもしれないが、同性同士で風呂に入るのに警戒する者は稀だ。
貞操では無く命の危険を警戒する者も、相当恨まれてなければほぼいない。
ニコライに昔なにがあったのか、現状知る者は存在しなかった。

さて、アルヴァの発言の根底にあるのは何か。それは古代種の現状にある。
雌が多い環境において、相当致命的な問題が無い限り雄が余ることは無かった。
彼のように囲う相手が少ないなど、他の雄がかなり好かれているのだろう。
今まで村の中しか知らないアルヴァにとって、雄同士の仲の良さも雌と関係を持つもの常識でしか無い。
互いの常識が違いすぎたがために、2人の間には溝が生まれようとしている。

「あれ? どうかしたんッスか、先輩?」

ニコライの手がアルヴァの胸板に触れた。
その次の瞬間、アルヴァは立ち上がっていた。手足に紫に光る鎖のようなものが絡み、彼を空中に固定したのだ。
恐らくは手のひらを接触させた相手を捕縛する魔法だろう、かなり高度な魔法なので使えるものはあまり居ない。また簡単な魔法防御アイテムで鎖が弱体化するので習得の難しさのわりには利点があまり無い魔法だ。
異変に気付いた冒険者らが、すぐにニコライを羽交い絞めにして押さえ込む。
呼び出されたギルド員が、アルヴァの保護と狼藉を働いた小男の捕縛に動いた。

「なぁ、俺を誘ってたんだろ? ほいほい男に着いてきたもんな! モテない俺に女の話をしたのだって、襲われたかったからだろ? なぁっ、おい、なあっ!?」

今まで周囲の愛に守られていたミノタウロスの少年は、突然向けられた濃厚な悪意と害意に怯えてしまう。
近くの宿に居た番の昔馴染みが迎えに来ると、子供のように泣いて甘えたそうだ。

ニコライは町の警備隊に連れて行かれ、町長からの処分を待つ身となった。
アルヴァの方も相方と一晩過ごして落ち着くと、参拝もそこそこに一度集落に戻ることとなった。
ギルドでそんな騒ぎがあったと知らないグランは、軽食をつまむとロビーでの警護の仕事につく。
娼館が稼動し始めて2日。前日に来れなかった層を中心に、紳士淑女がコンサートへと集まってきた。
娘や孫のような年頃の少女の持て成しや解説を楽しんだり、普段聞けない演奏を堪能したりしている。
その中にケルプの姿が見えないのが何となく気になった。彼なら来るはずだからだ。
用事でもできたのだろうかと思いつつ辺りを見回していると、何やら入り口の方が騒がしくなってきた。
演奏が中断するほどではない騒ぎなのだが、グランはその騒ぎの方に向かった。

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