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異界のミノケンタウロスとヤリマンの旅
官能リレー小説 - ファンタジー系

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異界のミノケンタウロスとヤリマンの旅 24

「フン!フン!ハァッ!」
グランが模擬戦用の人形を訓練用の刃の無い槍で突いていると人形がバラバラに壊れてしまった。グランのパワーが規格外だからだ。
「これでは訓練にならないな」
そう言いながら壊れた人形を交換しに行くと、ちょうど男とアルヴァが何やら話しながら歩いてくるのとすれ違った。
人形を回収に来たギルドの男がグランに話しかける。
「あのニコライという人は凄いですよ。ミノタウロスの攻撃を全部受け流して耐えていました」
「ああ、それは見た」
「たしかアルヴァくん……だったかな? 若いみたいなのに、さすがというか強力な攻撃を上手く当てにいくんですよ。なのに傭兵さんはスルリと避けて、懐にスッと入ってぺチン。いやぁ、人は見かけによりませんね」

身振りを交ぜて語る男は、口が上手く聞いていて感心してしまう。
さぞや酒場では人気があるのではないか。と、グランは考えていた。

「優秀な者は、そうと察せさせない腕もあるからな。……人形の交換、感謝する」

お気になさらず。と笑って去っていく男を見送り、訓練用の槍で型を確かめたグランは壊さずに倒す訓練に切り換えた。

十分に汗をかいたグランは、仕事前に汗を流そうと娼館の大浴場に向かう。
黒服らはすでに上がった後らしく、数人の客が居るのみだった。
時間さえ合えばティナと部屋の風呂で洗い合いたかったが、そうなったら仕事に遅れていたかもしれないと思い直した。
そういえばアルヴァとかいう若者は、この歌姫樂団に来るのだろうか。
自分が居ると知れば、意外と興味を持つかもしれないとグランは考えていた。
ここはギルドの浴場ではないのでアルヴァ達が来ることは無い。
今度二人に会ったら誘いをかけてみようかと思いながら、シャワーを浴びる。
体が大きいのでブラシを使って背中を洗う。

同じ頃、アルヴァ達二人もシャワーを浴びていた。
 
「へへっ、やっぱりミノタウロスは違うな! 油断してたら、叩き潰されてたぜ!」

先輩として洗ってやるよ! とアルヴァを座らせたニコライは、泡をたてたヘチマで壁みたいな背中を洗いつつ話しかける。

「そうッスか? ニコライさん、チョコマカ逃げるんで大変だったッスけど……」

どこか照れくさそうに少年らしい顔で笑ったアルヴァは、この小柄な先輩に身を任せ気持ち良さそうに寛いでいた。

「いやいや、若いのに大したもんだって! さぞかし地元じゃモてたんだろ?」

「そんなことは無かったッスよ。やっぱり兄貴たちが人気で、姐さん衆も妹分もそっちに抱かれに行くし……オレは昔馴染みくらいしか囲ってなかったッス」

――そういう相手が居るだけ、モててると思うんだがなぁ。ニコライは少し妬きつつ考えたが、口には出さなかった。
自分なら兄貴たちの情事を覗きに行き、馴染みに構うこともしないだろうな。などと自嘲し、大きな後輩を洗う手に力が入る。
アルヴァはそんな感情にも気付かず、暢気に「後でオレも、先輩を洗うッス!」とか考えていた。
屈強なミノタウロス兄貴達が激しく相手を犯す光景を想像したニコライは少しずつムラムラとしてきていた。
幼馴染みくらいしか囲う相手が居ないという、ニコライに対しては自虐になっていない言葉にも引っ掛かっていた。
アルヴァの背中を洗う手が止まった。

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