PiPi's World 投稿小説

魔法使いカインの奇妙な冒険
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 8
 10
の最後へ

魔法使いカインの奇妙な冒険 10

「懐かしいな…」
カインは思わず呟いた。
「…でもどうしてこんな所に?」
カインは疑問に思った。ここは自分の記憶の中には存在しない場所だ。
別の服も見てみたが、それもやはり自分が昔よく着ていた物だった。デザインが同じなだけでなく、右の袖に緑色の染みがある事すら同じなのだ。
着る服を調達するために廃村に入ったのに、服でこんなにも悩んでしまうとは思わなかった。
カインが考えていると、背後に足音が聞こえた。
振り返ると、そこには山賊親分がいた。
「カイン親分!どうしやしたか?」
親分はカインに近寄りながら声をかけた。
「いや、ちょっと考え事をね…そっちは何か見つかったかい?」
「へい、こいつを見つけましたぜ」
親分はそう言って、両手で抱えた木箱を見せた。
「これって…?」
カインは首を傾げた。
箱の中に何が入っているのか見当がつかなかったのだ。
親分はゆっくりと蓋を開けた。
そこには、全裸のカインの姿が描かれた絵が何枚もあった。
絵の中のカインは様々なポーズを取っていた。
しかも、どれもが精巧に描かれておりまるで本物のカインをそのまま切り取ったかのようだ。
カインの全身が一気に熱くなった。羞恥心が込み上げてくる。
「こ、これをどこで…」
カインは慌てて親分に聞いた。
「へぇ、廃屋に隠し階段がありましてそこを降りると地下倉庫に繋がっていまして…。そこにありました」
「こんなものを一体誰が…?」
親分達がカインをからかって描いたものとは思えない。あまりにも上手すぎるし描く時間も無かったはずだ。
「カイン親分、心当たりがおありで?」
親分は不思議そうな顔をしている。当然だろう、廃村にこんな物が隠されていたら誰だって不審に思う。
「いや、無いよ」
カインは内心かなり動揺していた。
この村はおかしい。
廃村に残された服や絵。まるで、誰かがこの場所でカインを辱めるために用意したかのようだ。
それが何を意味するのかは分からないが、カインは背筋が寒くなった。
「カイン親分、顔色が悪いですが大丈夫で?」
「いや、ちょっと驚いただけだよ」
「そうですかい…それならいいんですが…」
親分は心配そうにしている。カインはなるべく平静を装うように努めた。
その時だった、手下達の悲鳴が聞こえた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す