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淫獄
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫獄 10

「ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい」

全ての罪を吐きだすがいい、されば、その穢らわしい穴に蛇をくれてやる!

「はい、私は食事に睡眠導入剤を溶かしてあの子に与えました。そして、眠っているうちに寝室に忍び込んでパジャマを脱がして……」

寝ている間に何が起きたのか、彼は理解した。

「ひどすぎる、もうやめて!」
彼が叫ぶが淫らな処罰は終わらない。

股間のクリトリスを舐めていた蛇が、彼女のわれめに潜り込んでいく。
肉ひだをかき分け、愛液を散らしながら、奥へ、奥へ分け入ってゆく。
三匹の蛇が、くねり、のたうち、うねる。
彼女が悦びの声を上げた。
「いくぅ、あひぃ、気持ちいいっ、いいっ、あぁ、もっと!」
もう脳裏に妊娠して資産家の財産を奪う思惑も壊されている。あるのは狂おしいほどの肉欲、発情した牝の本能だけ。
突きまくられる子宮が熱く疼き、膣洞が蛇どもを締めつけようとするほど弄ばれる。

これは、僕が望んでいることなの?
これは、彼女の望んでいることなの?

彼の脳裏に幼い頃に目撃した犯されて悦びの声を上げている彼女の姿と、目の前で責められている彼女の姿が重なり合う。
彼は耐えきれずに目を開く。
ベットの上では誰も手をふれてもいないのに、小刻みに柔肌を震わせて彼女が絶頂をむかえていた。
だらしなく舌まで出して、焦点が合わない視線を漂わせている蕩けきった淫らな表情で、われめからは愛液をとろとろとシーツにしみが広がるほど溢れさせている。
夢の中でも、現実でも、強烈なエクスタシーが彼女の心を破壊する寸前なのがわかった。
「どうすればいいの……」
手首や足首を拘束している布のガムテープを引きちぎることもできず、彼女の名前を必死に叫ぶ。
子供のころから何度も呼んだ名前を。
両親のいない彼にとって、幼いころは寝つけぬ夜に彼女は髪を撫でてくれて眠るまでそばにいてくれた優しい女性でもあり、また、初恋の人でもあった。
何度も彼女に抱かれる夢、彼女を父親のように犯す夢をみたことか。
彼の目に涙があふれて流れた。
泣きながら叫んだ。
「……ぼっちゃま……私は……」
朝日が空を染め上げるころ、気絶した彼女が淫らな夢から開放されて、ベットから身を起こした。
彼の封じ込めてきた恋心と父親の愛人を好きになってしまった罪悪感。夢と現実の境界で彼自身が父親へのおそろしさのイメージ、性行為への嫌悪感として作り出した怪物に、彼女の心を崩壊寸前まで陵辱させた。
彼女は夢の中で息絶えようとしているとき、闇から光に包まれた天使が降りてくるのを見た。
その光に彼女が包まれた瞬間に、蛇どもは消滅して光の中で浮かんでいる気がした。
天使は泣いていた。名前を呼んでいた。
許さぬぞ!という叫び声が遠のいてゆき、やがて消え去っていた。
彼女は泣いたまま意識を失っている彼の顔が、夢の中の天使そっくりだと気がついた。
彼女は涙をこぼしながら、ベットが降りて床の上で意識を失っている彼の華奢な体を抱き上げた。彼がゆっくりとまぶたを開く。
「……よかった」
彼はそれだけやっとぽつりとつぶやくと、また目を閉じた。抱きしめられている肌の感触が彼の心の緊張を溶かしていく。
これが初めての秘められた力の開放であった。
彼は、彼女自身も気がついていなかった深層にある死への欲求を無意識のかなたへ封じ込めた。性の快楽への欲望とは死への欲求とつながっている。
彼女は心が破壊され消滅することはまぬがれた。
しかし、彼女は夢と現実の境界には、おぞましくも甘美なる快楽があることを知ってしまった。
それを与えてくれる者は「ぼっちゃま」だけであり、彼女は何度も欲情する心を自慰で解消しようとしても、満足できなくなった。
彼女は彼を利用しようとたくらみ、逆に禁断の扉のむこう側にある快楽を心に刻みこまれた。
それまで金銭関係で行動を縛られてきたが、今度は夢と現実の境界の快楽によって、身も心も縛られることになった。
元父親の愛人、彼の秘められた能力の覚醒によって危うく心を完全崩壊されて廃人となるところだった美熟女の霜月玲は、すっかり彼の下僕となった。
夢と現実の境界で過剰な快楽を与えられ続けると、快楽は苦痛に変わる。死んでもいいから、もう、終わらせてほしいと願ってしまったら、生きたいという気力と死への欲求がどちらが強いかの賭けとなるのだ。
死への欲求が勝れば、意識が現実に戻れずに廃人となる。
生きたいという気力が勝ったとしても、後遺症のように深淵なる悦楽を体と心が発作のように求めるようになってしまう。
そうなったら、やがて自慰はもちろん、人と人とのセックスでも満たされなくなってしまう。

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