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淫獄
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫獄 1

「そう……じゃあまたね」
井上真希は電話を終えると手帳を取り出して、男の名前の上にボールペンでXをつけた。
「お願い、今月ちょっときびしくて」
手帳に書かれている男たちの名前。
真希狙いで店に金を落としていく男たち。
「あのさ、店に行くお金がないんだ。ごめん」
始めは気まぐれで店に男たちはやってくる。
競馬で当たった。
パチンコで勝った。
ボーナスが出た。
そして、罠にはまる奴ははまる。
別に真希でなくても、別の嬢でもはまる。
罪悪感などまったくない。
週四日の出勤。
以前に就職した会社よりも収入がある。
真希は二十二歳だが、見た目は二十歳ぐらいに見えるのは華奢な体つきで、背丈も低い。
真希よりも若く、胸のサイズも大きく、スタイルも良くて、話を合わせるのが上手い嬢もいる。
真希を指名してくる男たちは、どこか自信がないような聞き取りにくい声で話す。
この店はキャバクラではなく、セクキャバで三回通うと別室の個室で二人きりで話せる。
そこで客の性器を手でしごいて抜くことまでは店から許可されている。
上半身だけ脱いで見せ、乳房をさわらせるサービスまでは可能だと客には説明される。
「内緒だよ」
自分だけは特別な行為を店には内緒でしてくれると思い込んだ客が、フェラチオを要求してきたり、下半身の股間にふれようとしたり、強引に犯そうとすれば、隠しカメラにむかって、Vサインを出せば、店の男性従業員が客を連れ出してくれる。
マジックミラーの裏側にある監視カメラで隠し撮りされているのを、嬢たちは教えられている。
だから、店の特別室の個室で客とセックスすることはない。
客が持ち込んだ睡眠薬を嬢の飲み物に入れてレイプしようとした映像を研修で見せつけられる。だから、一度個室に客と入ったら、嬢たちは客を一人で残して部屋から出ないように指導される。トイレに行きたくなったら、備えつけの内線電話で監視室へコールする。
店の監視役は、主に店長と主任。店番と監視役で交代して監視している。
手こきで店長と主任をいかす研修、全裸を見せる研修をどんな嬢も受けている。
真希の客たちは、個室で真希の乳房を見たがることすらしない。
見た目が派手な若い嬢を指名する客は恋愛感情はなく、性欲発散のために嬢を利用する。
真希の客たちは、ソファーでもたれかかって添い寝をしたり、手をつないだり、話をして帰っていく。たまにプレゼントを持ってくる。
小物や一緒に食べたいケーキなど。高価なものを持ってくる客はもうすぐ限界かもしれないと真希は手帳にチェックを入れる。
売り上げのノルマがきびしい。
いじわるをする嬢に売り上げで負けたくない。
仕事の愚痴をたまに言う。
自分から好きとはいわない。
告白されたら「ありがとう」と伝える。
店の接近マニュアルにあるように真希は客に応対するように心がけている。
それに気づく客は恋愛感情がさめていく。キスやこっそりセックスしたいと言い、結局は手こきで妥協して、しばらく店に顔を出さなくなる。
そして別の嬢を指名してサービスを受けるようになるか、同じオーナーの経営するソープやヘルスに通うようになる。

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