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淫獄
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫獄 12

「僕は夢の中で自分の姿をこうしたいとか、まったく考えなかった。催眠の暗示で、あなたのところに天使があらわれます、とか指示したわけじゃないから、それはレイさんが持つ僕のイメージだったんじゃないかと思う」
霜月玲はたしかに夜這いをかけて「ぼっちゃま」のパジャマを脱がせたとき、たしかに両性具有の天使の体のような気がした。そのイメージがあらわれたということなのかもしれない、と思った。
「でも、それだとぼっちゃまの私に対するイメージが怪物に襲われて犯されている女というイメージを持っていた、または、私が襲われて犯されたい願望があったということになりますね」
彼は、深呼吸を一度してから、十歳ぐらいのときに父親と霜月玲が寝室でセックスしているのを見てしまったことを告白した。
「旦那様が怪物で、私が怪物に襲われているイメージを作り出したということですか?」
「そう考えると、幼かったころの僕はセックスはとてもこわいものだと思ったせいで、セックスに対する知識もなかったから、別のものに置き換えたということになる」
男性はセックスのときは女性を襲う怪物になる、怪物になりたくないという意識が強すぎて現実の肉体に影響をあたえ、全体的には女性的で、でもぺニスをこわがって強く意識しているから残っているという姿になったということなのだろうか。
「私たちの現実は、強い認識によって影響を受けるということですか?」
霜月玲がそう言うと、彼は「わからない」と考えこんだ。
あの夜から、今までありえないほど欲情すること、そしてそれがなかなかおさまらなくなっていることを霜月玲は彼に打ち明けた。
「ぼっちゃま、私はこのままおかしくなってしまうのでしょうか?」
すると、彼はまっすぐ霜月玲を見つめたあと「もう一度だけ夢と現実の境界へ意識を飛ばしてみよう。むこう側で何が起きているのか確かめるために」と言った。
長時間の夢と現実の境界での快楽に人は耐えることができないということに彼はつかんでいなかった。
霜月玲の開放されてしまった欲情がどんなものをあちら側で生み出しているか、彼は知らなかった。
彼の部屋で、霜月玲がベットで仰向けに横たわる。彼は床の上に仰向けに横たわった。二人の呼吸のリズムが重ねられていく。
濃密な霧がつつみこんでいて周囲は白く何も見えない。その中を彼は飛翔していた。
自分の夢か、彼女の夢か。
それとも融合していてどちらの夢でもない世界に変化してしまっているのか。
彼は全裸で、全身が青白い炎のような光に包まれていた。
彼には遠くに赤い光が見えていた。
近づいていくと樹海のようなものが広がっていて、森がほんやりと光を発しているのだとわかった。
霜月玲がそこにいるのか、それとも……。
彼は森のそばに降り立った。

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