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エロノートの力
官能リレー小説 - ファンタジー系

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エロノートの力 21

「えぇ、そうよ。あたしはリリム。そのエロノートを作った悪魔よ」
「で、そのリリムが何の用かな?」
内心ほっとしながら話を続ける。
「決まっているでしょう? あなたの魂をもらいに来たのよ。エロノートを使って、欲望に肥え太った、あなたの魂をね」
「やっぱりね、嫌だといったら?」
「あら? 人間風情が勝てると思っているの? それに、ノートの力で散々遊んだんでしょ? むしろ、あなたの魂なんて、おつりがくるくらいよ」
残酷な笑みを浮かべるリリム。僕はこういう顔を知っている。
自分が負けるわけないと思っている奴が、相手をいたぶるときにする顔だ。
僕は小さい頃からいつも、この顔に向かい合ってきた。最初からそうでない顔を向けてくれたのは、ママだけだった。
だけど今は違う。
僕はエロノートの力でそれを変える力を手にした。かつてリリムが作ったものだろうが、いまやエロノートは僕の最大の武器だ。だから、絶対負けはしない。
「……っ、何これ、体が、おかしい。何したの、アンタ!」
唐突にリリムが体を抑えてうずくまる。顔は赤くなって、はっきりと発情していた。
「へぇ、悪魔もやっぱり気持ちいいとそんな顔するんだね。いや、やっぱりすごいね、エロノートは」
「なんで? アタシの作ったエロノートが、アタシに効くはずなんてないのに!」
リリムは当惑するが、僕にとっては当然の結果だった。
ボクだって、ただただエロノートで遊んでいたわけじゃない。アカデミアの資料で調査はしていたのだ。
結果、アランフェス王国の過去の王族が聖王国の助力を得て封じた魔王、リリムが作ったものだったことが明らかになった。
そして、その封印はイスト聖王国女王の処女性によって保たれていた。まぁ、僕のせいで封印は解かれたわけだ。
エロノートは強い魔力を持つ者に反応するよう出来ていた。つまり、エロノートを残すことで、自分が復活するための保険を用意していたのだ。強い魔力と実力を持った者であれば、歴代美女ぞろいのイスト聖王国の聖女王に目を付けないはずはない。オマケにそれを実行したものは、欲望に染まった強い魔力を持った魂の持ち主ということになる。
目覚めて間もない魔王が力を取り戻るために食べるにはうってつけの魂だ。
「そんなシナリオかなって思ったんでね。ちょっと準備させてもらっただけだよ」
エリスをものにした辺りでそれに気づいた僕は、真剣にアカデミアに通ってエロノートの強化に励んだ。
ナターシャやエミリアを味方につけたのは大きかった。ナターシャの技術でエロノートの魔力を改造し、エミリアの聖なる力を与えた。つまり、エロノートはもはやリリムのものではなくなっている。
そもそも、彼女がここに来たのだって、当人の意思ではない。僕がエロノートに書き込んだことに、彼女は自然と従ってしまったのだ。
「じゃ、魔王退治始めようか」
僕はそう言って、リリムをベッドの上に組み敷いた。

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