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呪淫契約
官能リレー小説 - ファンタジー系

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呪淫契約 5

「そうよ。奴隷商人のアジトの街をゴーレムで破壊しつくしたりね、別名で黒い悪魔とも呼ばれて……」
呪術師がせきばらいをすると、手にもったカップから酒を一口飲んで「まあ、そんな感じ」とにっこりと笑う。
「ふぅん、あー、シャドウがひとめぼれして、強引に手ごめにして、誘拐してきたってこと。すごいわね」
「いや、俺はちゃんと一緒に来るか確認したぞ」
「いやいやいやいや、だって、シャドウが手を出さなかったらさ、お姫さまは別にその世界から逃げる理由はなかったと思うんだけど。そう、お姫さまなら、すごい魔力を持っていても、不思議じゃないか。なるほどね」
姫巫女エリーヌは耳まで真っ赤になり、もじもじと照れていた。
「あたしも、強引なぐらい好きって言われたいわ。一緒に来るか? だっけ。ふふっ」
「酔っ払いは帰れ」
「わかってないなぁ、女っていうのはね、嘘でも、俺が君を守るとか、幸せにするとか、そう言って、自信あるようにみせて、がんばってかっこいい男ですって態度で、元気でいてもらいたいものなのよ。でも、惚れた男だけだけどね」
ライラは旅商人をしているが、剣の腕前も魔術の知識もあり、見た目も美人で、まさに才色兼備といった女性で、なかなかライラよりたくましく世渡り上手な男はいないようだ。
「またお酒飲みたくなったら来るね。お姫様を困らせちゃだめだからね」
ライラがエリーヌにウインクしてから、振り返らず丘を下る道をひとりで歩いていく。
ライラが帰ったあと、呪術師がエリーヌを背後から抱きしめ、服の上からやんわりと乳房のふくらみを揉みしだいた。
「あっ、んっ……急にどうしたんですか」
呪術師は答えずに、体を密着させる。
息がエリーヌの耳にかかってくすぐったさを感じた。
呪術師の手が丈の長いスカートをめくりあげて、すべすべとしたエリーヌの太ももを撫でまわす。
柔らかく、といっってあっさりしすぎずねちっこくもならず。
絶妙なバランスで呪術師は撫で回す。
首筋に吸い付いて、唇と舌でも愛撫する。
「跡が付いてしまいます」
困ったような、でも嫌そうな気持ちの無い言葉。
男はそれにも答えずに手や唇で愛撫を続ける。
彼に抱きしめられ、その中でエリーヌの体に官能の種火が灯り、肌の赤みを見て姫巫女の流儀とこの村の習慣とで、下着を着けていないエリーヌの割れ目にも呪術師の指が至る。
ほんのり濡れた割れ目を軽くなぞられる。

見栄を張った貴族たちの暮らしや戒律に縛られた聖職者の暮らしとはかけ離れた庶民の暮らしに、エリーヌは不思議になごんだ気持ちになるのだった。
村人たちは呪術師の名前が自分たちよりも長いので「先生」と呼ぶ。名前が長いと聞いて呪術師は元貴族なのかもしれないとエリーヌは思う。
過去については「今、ここにいる。それでいいじゃないか」と言われると聞かれたくない、思い出したくない過去なのかもしれないと思い、それ以上はなんとなく聞けないでいる。

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