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陥落
官能リレー小説 - ファンタジー系

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陥落 10

肩のあたりまである髪は逆立ち、アルシルアの瞳の色が淡い碧色から焔の色に染まる。
「よかろう、ただし、消滅するまで毛穴まで犯してやろう」
柔肌の毛穴から皮膚の中へ、乳首の先端から乳腺の中へ液化したスライムが侵入していく。
アルシルアが思わずあえぎ声をもらした。
「はぅっっ、ああぁぁっ、はぅっ、あぁぁん」
ぬちゅりと熱い粘液体が変化し、すべすべとした弾力のある蛇のようになり、牝の肉花を押し開き挿入された。
また同時に犯されたことのない排泄器官である小さなすぼまりを貫き、うねうねと蠢く。
アルシルアの全身が急激に汗ばむ。
爪先からうなじまでを刺激され、快感に意識を飛ばされかけながらも、あえぎつつ、呪文の詠唱を続けた。
「あっ、あっ、ひやぁああぁん、あぅんんっ!」
絶頂して、深紅の光が失われた全裸のアルシルアが、がくりと崩れ落ちる。
蒸発させられたスライムは消え去っていた。
うつ伏せに身を投げだし気絶したアルシルアの牝の肉花や小さな菊花がひくひくと絶頂の余韻に反応し、体内から血のような粘液があふれ出てきた。
この時のわずかな残滓が、時間をかけてダンジョンの中でシャムに成長した。
スライムの粘液体を浄化の焔の秘術で霧消させられ、魔導師の魂は異世界に追放された。
魔法陣の中で眠りに落ちたライラの姿は、アルシルアとそっくりである。
シャムが女盗賊ライラに嫌悪感を抱いたのは、姉妹のようなものだからかもしれない。
人間のライラを嫌悪しながらも、シャムがライラの姿でライネルと交わりながら安堵に似た気分になるのは、法術師アルシルアの影響もあるにちがいない。
魔導師ヨシアキが剣と魔法の世界で再生するまで、シャムはダンジョンの中で孤独だった。
アルシルアは妊娠した。
人の精液ではなく魔獣の精液で。
それを知った騎士団上層部は堕胎させようと様々な薬や術をアルシルアに施したが、堕胎させることができなかった。
母娘もろとも抹殺する指令が下る直前に、アルシルア母娘は帝都を出奔して、消息を絶った。
法術師アルシルアの娘、魔獣と人の混血児。
それが女盗賊ライラであった。
ライラの運動能力がとても優れているのは、秘められた魔獣の血の力のごく一部にすぎない。
かつて、支配者の種族、あるいは、かりそめの魔獣の肉体との交わりで生まれた混血児たちは強い魔力や高い身体能力を持っていた。
時代が経過して、特別な力を持たない人間との交わりによって能力を持つ者は減少していった。
ライラの盗賊団で拾われた孤児ライネルも、わずかだが、かつての支配者たちか魔獣の血が混じっていたのだろう。
シャムの粘液体の投与による身体変化がその証拠。
変化しなければ、溶かされていたか毒性によって死亡していたはずだ。
女盗賊ライラは、魔導師ヨシアキに対して本能的な同族に発情をもよおした。
残念ながら、元賞金稼ぎの巨漢ザムラはいにしえの血を失ったただの凡人だったのでシャムの餌になった。
もしも、わずかでもいにしえの血が体内に残っていれば、それなりの獣人になったかもしれない。

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