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陥落
官能リレー小説 - ファンタジー系

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陥落 12

ライネルは射精したように見えるが透明な粘液だけで子種は失われているから、ライラと性交しても孕むことはない。
それはヨシアキとシャムだけが知っている。
シャムはライネルの出す粘液も、ヨシアキのものほどおいしくはないが、ライネルが気持ち良さに泣きそうな顔になっているのも、かわいい声であえぎまくるのも、好きだった。
ヨシアキの精液には子種はあることをシャムはわかっていたので「子種はあるのですから、気になさらなくてもよろしいかと思いますが。他の女をさがしますか?」と言った。
シャムはヨシアキの性欲処理を行い、ライネルで自分ね性欲は処理をしていた。
ダンジョンの侵入者はたまにやってくる。
たいていはスケルトンやゴーレムと戦闘して負傷して逃げていく。たまに、高価な魔力がこめられた武器や防具を装備している侵入者は、スケルトンやゴーレムを破壊する。
そうなると、シャムが「お掃除してきます」と補食に行く。
ヨシアキ自身が侵入者に会いに行くことはまれなこと。
女盗賊ライラがストレス発散で侵入者と戦いに行くこともたまにある。
ライネルは侵入者との戦闘は避けるようになった。
一度、侵入者に捕らえられ、シャムとライラに救出されたことがあったからである。
ダンジョンの侵入者でも、ならず者の宿無しから、古代知識の研究を目的とする者まで、ぴんきりなのだが、そこに暮らしている魔導師ヨシアキたちがいることを把握している者はあまり多くはない。
ダンジョンはそれなりに広さと深さがある。
まるで海のように。
ヨシアキもすべての階層を把握しているわけではない。
ライネルを捕獲した侵入者たちは五人でパーティを組んでダンジョンから金目のものを盗掘に来たのだった。
鑑定士は帝国に各地の遺跡探索の許可を申請し、許可書を持ってはいる。実際は盗掘でも研究ということになっている。
他の四人は、もちろん許可書など持っていない。
鑑定士は三十歳の未婚女性で、世間知らずなところがあった。
研究に没頭するあまり婚期を逃しかけていたところで、恋に落ちた。相手は十七歳の少年である。
少年にせがまれて遺跡探索に来たが、少年の姉と双子の兄たちは見るからに傭兵といった感じの容姿で、本当に血のつながった姉や兄たちが、鑑定士は疑わずにはいられなかった。
帝国では十五歳から婚姻は認められている。
「僕らは腹ちがいだから、父親がみんなちがうんですよ」
「そ、そうなの……」
「ええ、そうなの。まあ、よくある話なんだけどね」
口紅をつけて香水の匂いをぷんぷんさせた、鑑定士とはちがうタイプの少年の姉が笑いながら言った。
鑑定士がちらりと双子のスキンヘッドの巨漢たちを見た。
だが、巨漢二人は何も言わない。
「ごめん、兄さんたちは人みしりであまり話さないんだ」
「……そうなんだ、よ、よろしく」
二人は同時にしかめっつらのままでうなずく。
遺跡まで馬で二週間ほどの距離の街の酒場で五人は集まった。

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