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淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔剣トリス 10

俺たちのいる街、グーサンからほど近い森。
例の誘拐魔連中がどこに拠点を置いているのかはまだわからない。
俺の後ろにトリスとリリィ、その後ろに一体の黄色いネズミ。俺の前にも一体。
リリィの両肩にもそれぞれ一体乗っている。
どれがどれだか俺にはわからないが、リリィは家にいたうちの二体を追加で連れてきた。

「このコたち、いろいろと役に立つのよ?」
「ちょこちょことかわいいです」
「チュゥ!」
「チュピー!」

ネズミっぽいこの使い魔達…まあネズミの系統だろうから、探索的な能力は高いんだろうけど俺も見たことのない生き物だ。

「あったあった…」
「生で食べる気か?」
「だぁいじょうぶよー。この鳩の卵とコレをブレンドして…」

俺たちは鳩の卵を見つけた。リリィは長めの徳利のようなものを出して、割った卵をその中に入れて振っている。
かなり手慣れた様子で流麗だ。
ん?徳利が光り出したような…?


「ふふふ、こういうのは珍しい?まあ難しい説明は省くとして…この卵、これに含まれている栄養をこの徳利の中で秘密の鉱石レシピと混ぜて、酔い覚ましに変換してるんだよ?ポーションに毒消しに麻痺直しに何でもござれさ…まあ、そのぶん錬金術士はきちんと何かしらの対価が必要だから、無から有を産み出すって訳には行かないんだけどね?ただの水なんかでも必要なマテリアルが含有されていないようならダメだし…ま、泥水を精度の低いポーションに変えるとかは可能だけどさ」

「な、何だよそれ!ズルいぞ!っていうかそんなものを売ってたのかよ!?」

「ふふふ、まあこんなことを出来るのは私くらいだしね、それに案外鉱石類や霊石、マナを豊富に含んだ魔法石は高いからフリーで利益を出すのは難しいんだけどね」


徳利の中身を飲み干しながらもリリィは自信満々に答えた、なんつー女だ…しかしまあ、ただものではなさそうなのもまたよく解ってきた。 
確かにこんないい加減そうな、でも実力はありそうな人間を紹介するのを躊躇いたくなるのに気が引けるのはわかるかもしれない。

「さあて…酔いも覚めたし、そろそろ出来たかな?おいで、調査の結果を見せてくれ」

しゃっきりした顔でリリィはそう呟き、いつの間にか草むらから現れた使い魔の一匹を地面から抱き上げ肩に乗せて、他の使い魔が地面を整地し細かい土をきれいに敷き詰めたそこに、自らの手をあてがい、またもやよくわからない粉を地面に振りかけていく。 


すると地面には森の地図…俯瞰したような、様々な獣道や街道、さらには盗賊の使う道などが浮かび上がり始めていた。
ご丁寧に方位磁石まで作り、あらかた方角まで理解できるそれの上を…さらにいくつかに色分けした…チェスの駒の絵柄を書いた小石が動き始めているのが見えた。

「森のなかを探らせたのに合わせて使い魔の雷の気を森中に張り巡らせたからね、だいたい人間サイズのものだけ、動きをこうして石にトレースさせているんだ、これが私たちだし…獣たちはこの激しく動き回ってるのだろうねえ…魔力が低いものは優先的にポーンをあてがっている、となると…」

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