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淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔剣トリス 9

「ローラン君、お金無いって言う割にはしっかりとパンツも穿かせてるのね?」
「もう!ひどいです!」

リリィが質問してきた隙を突いてトリスが離れた。
残念そうにするリリィの両肩の上の黄色いネズミのような使い魔が俺とトリスのほうを向いて申し訳なさそうにしている。

「コイツは最初から穿いてたぜ?」
「へぇ…珍しいわね…クロッチも覆ってるし、前の主人の趣味かしら?」

平民の娘はそもそも金が無くてスカートの下に穿いてないことが多い。
魔術師や錬金術師はアソコから大地や大気の魔力を吸い込みやすいように割れ目を覆うような下着を普通はつけない。金持ちでも。

「そんな話をしないでください…恥ずかしいです…」
「トリス、済まなかった。つーわけであまりいじらんでやってくれ」

思いっきり恥ずかしそうに小さくなっていたトリスを引き寄せ、抱きしめる。
肉入りスープの香りをのせて、店の人がやってきた。

「肉入りスープのパン付き、おまちどう!」
「わぁい!」
「マスター、私にもレモンジュースとポークソテー」

さっきまでの騒ぎが無かったかのようだ…やれやれ。
トリスとリリィが囲むテーブルに俺も付いた。
リリィは鳩の卵探しに行くのかポーション納めに行くのか…

「食べ終わったらポーション納めに行って、それから森へ行きがてらその悪党を探しましょ。実はまだちょっと頭痛いのよね」
「いや、錬金術師なんだから薬作って治せばいいだろ?」
「・・・残念ながら金欠で薬を作る材料がないのよ」

俺の素朴な疑問に、リリィはそっけなく答える。
まあ、こんなところで真っ昼間から飲んだくれているような女だ。
自己管理ができてないのも納得の答えである。
だから俺は気づかなかった。彼女の返事に、微妙な間があったことを。
トリスはそれに気づいたのか、小首をかしげていた。




さて、食事を済ませた俺達はその後、店に納めるポーションを取りにリリィの家に向かった。

「いやー、たまたまとは言え、アンタたちが来てくれて助かったわ♪」
「俺達はおまえにクエストの手伝いをしてほしいんであって、おまえの仕事の手伝いをしたいわけじゃないんだが」
「まーまー、かたいことは言いっこなし!」
「そーゆー問題じゃないですよぅ。だいたい、そんなに量があるなら、店の人に連絡して取りに来てもらえばいいじゃないですかぁ?」
「あー・・・そこはちょっと、事情があって、さ?」

トリスのクレームに、カラカラと笑っていたリリィが口ごもる。
その様子に俺はようやく何かを感じつつも彼女の家に到着した。

「じゃ、扉を開けるから・・・ちょっと離れてて?」
「・・・?なんで、扉を開けるのに、離れてる必要が・・・?」

疑問に思いながらも、言われるがままに距離を取るオレとトリス。
いちいち相手のやることに文句を言っては何も進まないからな。
それを見届けたリリィはため息を1つ吐くと、何かを覚悟したような顔でドアノブをつかむ。瞬間。

ビリビリビリビリビリビリビリビリッ・・・!

「〜〜〜〜〜〜〜〜ッ!!」
「「!?」」

ドアノブをつかんだリリィの身体に目に映るほどの電撃が走る。
あまりの強さに髪が点を貫かんばかりに総毛立っている。
突然の出来事に絶句する中。リリィはその痛みに耐えてドアノブを回し、扉を開く。
すると見覚えのある青と黄色のネズミが数匹、反対側のドアノブから滑り落ちた。
いやそれだけではない。見れば、家の中には青と黄色のネズミがそこかしこにたむろしていた。

「あはは・・・驚かせてゴメンね?コイツらは私の使い魔。
 人を殺すほどの力はないんだけど、使い勝手がいいから、こーして家の警備を頼んでるの」
「・・・いや、それにしたって、もうちょっとやり方ってもんがあるんじゃねえか?」
「言ったでしょ?・・・『使い勝手がいい』のよ」
「・・・?」

呆れかえる俺に陰りのある笑みを浮かべるリリィ。
それに気づいたトリスは小首をかしげるが、俺のほうはあまりのアホらしさにいまだ気づかずにいた。
その後、リリィの家で目的のものを手に入れた俺達は、無事にポーションを店に納入。
本命のクエスト達成のために森へ向かった。

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