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淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔剣トリス 7


「・・・はあ。わかったわ。紹介してあげる。
 ただ気を付けてね?そのコ、腕は悪くない・・・っていうか、むしろいいほうなんだけど。
 性格って言うか、体質にちょっと問題があるから」

そう言ってモニクは紹介状とともに、件の魔術師の居場所を教えてくれた。
裏町にある娼館が立ち並ぶ通りにある場末の酒場。
さて、モニクがためらうほどの問題児とのことだが、いったいどんな人物なのやら。
俺はトリスとともに次の目的地に向かうのだった。


やってきました、裏町娼婦通り!
普段なら色っぽいおねーさんがそこかしこで客引きしてるのでしょーが、今は昼なのでほとんどシャッター商店街状態です!
とゆーか、そんな時間帯に来ようものなら、隣の腹ペコ魔剣娘が黙っていないでしょう!
いや『こんなかわいい巨乳メイド連れておいて、何をぜいたくな』なんて思うかもしれんが、やっぱり男なら女の子に囲まれたいと思うのは当然のことだと思う。

「・・・ローラン様〜?何をボーッとしてらっしゃるんです〜?早くお店に入りましょ〜?」

今度トリスをどうにかして遊びに来ようと誓っていることなど気づきもせず。
トリスが早く行こうと手を引っ張る。
俺の役に立ちたいがためか、単に腹が減ってるだけか。
できれば前者であってほしいと思う。割と本気で。

「おや、いらっしゃい。こんな時間にお客さんなんてめずらしいねえ・・・ご注文は?」
「おなかにたまりそうな肉入りスープをパンつきで2人前お願いします!
 あ、それとギルドからこちらに魔術師か錬金術師の方がいると聞いたのですが、いらっしゃいますか?」

ちょっ!?何ナチュラルに注文してやがる!?それも2人前!?
メシならちゃんと食ってきただろ!?明らかに俺が食いきれないと計算して注文してやがる!
俺の懐具合まで考えたメニューで!
文句を言ってやりたいところだが、ちゃんと本来の目的もこなそうとしてるからタチが悪い。

「毎度。・・・ちょっとリリィ!?いつまで飲んだくれてんだい!?アンタにお客さんだよ!」
「・・・ん、ああぁ〜・・・?私に、客ぅ?」

案の定、キャンセルする間もなく酒場の女将は、目的の人物を呼んでくれた。
薄暗い酒場の奥で、テーブルに突っ伏してたらしい人影がのそりと起き上がった。
目的の人物に会えたはずなのに、うれしくないのはなぜだろう。

「誰よ、いったい・・・道具屋のおやじぃ?
 頼まれてたポーションなら、ちゃんと納入するから大丈夫だって言ってんでしょお・・・?」

誰かと勘違いしながら出てきた人物を見て。
俺は一瞬、娼婦と勘違いしてしまった。それほどまでに出てきた人物は色香にあふれていた。
闇色に輝く長髪。野暮ったい服と白衣の上からでもわかる、肉感あふれるスタイル。
肩に青と黄色のネズミみたいな小動物を2匹乗せ。
髪はボサボサで目にはクマができていたが、それでも隠し切れない色香。
それが依頼達成のためにギルドから紹介してもらった人物。
錬金術師リリィとの出会いであった。
「ふわぁ…私は錬金術師のリリィ…痛っ!」
「チュゥ〜…」

眠だるそうに名乗りを上げたリリィさんは、痛そうに頭を抑えた。
俺は何もしてないぞ。顔色やらさっきからの様子を見るに二日酔いらしい。
黄色と青のネズミみたいな生き物の片方が、主人を心配するような声を上げた。

「あんた、大丈夫か?」
「ん…ちょっと、二日酔い…」

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