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淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔剣トリス 26

「金か…まあそれは確かにな…魔法石の件も含めてかなりリリィには世話になったし、魔法石で食欲が抑えられるなら出費も万々歳だから…このくらいでどうだ?というか他のやつらからもらったらどうだ?少なくともギルドの皆からならかなり金は取れるんじゃないのか?そもそもお前がいなけりゃ全滅だっただろうし…どうせそのうちまたモニクが狙われるかもしれないしな…なんならモニクに持ちかけて専属の護衛になるのだって問題ないと思うぞ?」

「うーん、確かにそうなんだけどね…個人的にはお付き合いしたいなぁって考えてるんだよローラン君、魔剣持ちなんて珍しいしぃ…それに、払えないなら身体っていう手も十分に使えそうだかね、知ってる?ローラン君の精液に含まれる魔力の濃度、多分使い魔の二三匹は飼える濃さだから、十分に元はとれそうなのよね」

そういうなりリリィは俺が提示した金額…とりあえず報酬金の3割を軽く蹴り飛ばすように呟いた。 


(コイツ…金と俺達を実験台にしたくて足もと見てやがるのか?)

「すまんな、これ以上高い額はさすがに払えないよ、きちんと交渉をしていなかったのは悪いが、足りないぶんはモニクにでも言ってくれ、そもそも俺一人の賞金がどれくらいかはお前も理解してるだろう?」

「ふふふ…言うと思った?大体懐事情はよろしくないっていう訳ね…ジュリア、なら…貴女からそろそろ話をしてみたらどうかしら?」
「え?は…はぁ…では…私はジュリア、ジュリア・マルファスです、職業は魔術師…専門は攻撃魔法や補助魔法ですが…実は、皆さんに依頼をしたくてここに来たのです」

下卑た視線から直ぐにリリィの目は錬金術市の時のきりりとしたものに変わり、楽しげにジュリアに話を振り、ジュリアもそれに応えるように言葉を返した。


「依頼?構わないけど…いったい何を依頼するって言うんだ?とりあえずあのゾンビ魔術師を倒したから賞金は貰えたけど、まだ完全に討伐したわけでもないからな…あまり長いクエストはー…」

「いやいや、断る話ではないと思うよ?ローラン君…ジュリアの依頼は冒険のための同行、そして向かう先は水の国ヴァルナーの万年氷山…氷山の氷が実験に欲しいみたいなんだけどね…その氷で作った刃は魔法石の加工にも使われるんだってさ」

「お前が説明するなよ、しかし氷がどうしたって言うんだ?まさかあの魔術師達が氷の刃を作るために山に来たかも?とか言うならお前を見損なうぞ?」

「…あの魔術の類いは間違いなく水の都の人間にしか使えないし…それにあのローブは山の近くにすむ氷山牛の毛で作られていた最近のものだった…どう?まだ興味はわかないの?」


面白そうだが…蛇の手を放置するのも物騒だし、トリスの魔力と魔法石の件もある。どうしたものか…
俺の思考の流れを止めたのは、リリィの使い魔達だった。

「チューピー!」
「チュゥ!」
「ああっ、おいしそうです」
「ありがと、あなたたち」
「そんな事もできるんだな」
「スゴいのよこの子達」

あのネズミのような使い魔達がお菓子とお茶を持って来た。
黄色い体で器用に二足歩行している。
流石に一匹で全部持ってこれなくて、何匹かで分担して。
ジュリアは魔術師らしく使い魔に慣れっこなようで、お茶菓子を差し出すネズミ達の頭を撫でたりしている。

「ほらほら慌てなくても、お菓子くらいちゃんとあるから」
「香ばしいですー」

トリスは嬉しそうに食べているし、リリィもジュリアもクッキーをつまんでいる。お茶菓子を出し終えたネズミ達は下がったが、何匹か残ってリリィとジュリアとトリスに乗っかったりすりついたりして、なかなか可愛らしい。

「さっきの話だけど、ローランも悪い噂が消えるまで、身を隠す口実にいいんじゃないの?」
「そう言われればそうだがなぁ」

疑似魔法石を宿したゾーラ達を見た街の連中が俺の事を噂して、いささか気恥ずかしい。
もしかすると本当に妊娠した娘もいるかもしれないし…

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