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淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

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淫魔剣トリス 25

年齢は若そうだが、どこかぽっちゃりした肉付きのよさが特徴的な彼女…ジュリアは眼鏡をかけ直して訪ねかける…なかなか発育は良さそうだが良家のお嬢様か何かなのだろうか。

「はい、そうですけど…それが何か?」

「光栄だわ!魔剣になんてなかなか会えないもの!こんなにすごいものを見たのは初めてだわ!」

そういいながらぶんぶんと手を振り握手するジュリアに苦笑しながらも、トリスはどこか不思議そうな顔をしつつ…というかあからさまにこの前のリリィのセクハラを思い出してか嫌そうな顔をしながらも、我慢しているのか、俺たちはとりあえず工房に向かうことになった。 

ーーーーーーーーーーー 

「結果から言えば蛇の手は完全に滅んだとは言いがたいんだ、彼らは自らにアンデッド化や妖魔化をするような魔術をかけて決戦に望み…死後復活を狙っていた可能性はかなり高い、まあただ…あいつは間違いなく操られていただけだろうね、何者かに…一応心当たりは調べたらあったんだけどさ」

「心当たり?それは…」

「魔王軍の残党だよ、まあさすがに昔ほど敵対的な奴らはいなくなったし、知性のあるタイプの妖魔は人間との共存社会には慣れきってるし騒ぎは起こしたがらないようだけどね…友好的な種族も多いし、ただー」

「ただ?」

「トリスちゃんのいた遺跡…あそこにあったみたいなんだよね、魔樹の根が…千年に一度身をつけて、食べたものには不老不死と大魔術を一息で使用できるような魔力が手に入り、武力は一撃で軽々と城塞を砕く力…魔宝石を使いきっていた原因もそれじゃないのかな。」

リリィの言葉に、俺は口元に手を当て物思いにふける。
・・・これはただの偶然なのだろうか?
トリスのいた遺跡に魔樹の根、襲ってきた魔王軍の残党、魔宝石・・・。
1つ1つが何かのキーワードになっているように思えてならない。
こんなことを口にすると、まわりはよく『何でもかんでも関連付けるな』とか『冒険者ってよくそんな考え方するよね』とか言ってくるが、やってる側からすれば至極当たり前のことだ。
情報1つで命を落としかねない危険な職業。
ゆえにどんな些細な情報でも自分に関連付けておかないと、いざというとき対処が取れない。
準備が過ぎれば、やりすぎたと反省や後悔するだけで済む。
しかし準備が足りなければ後悔さえできなくなる。
俺の心に深く刻まれている名言の1つだ。
だが。世の中には時として、いくら準備してても対応できないことがある。
いわゆる予想外の出来事。
アクシデントというヤツだ。
そしてこの時も、そのアクシデントが足音もなく、ひたりひたりとにじり寄っていた。
それも背後からではなく正面から。
そう。これから起こる予想がの出来事とは、目の前のリリィによるものだった。

「考え事してるところ悪いんだけど。
 そろそろ別の話に移ってもいいかしら?」
「ん?あ、ああ悪い悪い。別の話って何のことだ?」

その言葉を待ってましたとばかりに、リリィが笑みを浮かべる。
しかしそれは決して色気を感じるようなものではない。
むしろ逆に寒気を覚えるような、下卑たものだった。

「ぶっちゃけ、報酬の話。
 思ったよりヤバそーだから、今のうちにこれからのこととか、危険手当とか、いろいろ話し合っておきたいのよねー♪」

予感的中。
パーティを組むに当たり、依頼内容や相手の経歴などからクエストの途中で離脱したり、報酬アップや支払いの要求をされることなどよくある話。
トリスのおかげで生活費がギリギリの俺にとって、ヘタをすれば魔王よりも恐ろしい話である。
ウチの家計を守るための新たな戦い(交渉)が、今始まろうとしていた。

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