淫魔剣トリス 22
「わ、私は別にそんな扱いはされていませんでしたよ!で、でも確かに…そうですよね、魔力の消耗が激しい理由は…私が不安になってしまう理由はそういうことがあるからかもしれませんっ…」
一応反論しながらもトリスはそう口にしてしょげてしまう、しかし魔法石か…どこかで購入するにしてもどうすればいいんだろうなぁ…かなり高くつきそうだな、アレ。
「まあ、石自体は当分心配ないんじゃないかな…さっき宝石化を解除するときに皆に出した精液…あれね、飲ませた薬の影響で…妊娠しない代わりに…擬似的な魔法石を産んじゃう場合があるからさ…よかったねゾーラ?きちんと責任を取ることができて」
リリィはなんともないと言いたげにそう呟き、きょとんとした表情を浮かべるゾーラの腹部をなで回した。
「な、何をっ…あっ…あぁっ…」
いきなりの行為に顔を赤らめていたゾーラはそんな風に声を出してあえぎ始めた後に、みるみる腹部を膨らませ始めていた。
「お、おい!?」
「ゾーラさん!?」
「お姉ちゃん?」
引き締まった流麗なゾーラの身体が、明らかに妊娠したようにお腹だけ膨らみ俺も他の娘達も驚く。
「ああコレ?妊娠と違って擬似魔法石の場合は最初に急に大きくなるのよ。でもこれ以上は大きくならなくて、これから母体から魔力が流れ込むのよ。
簡単に言うとお腹の中に水筒を作ってその中に魔力を注ぎ、それから水筒ごと出すようなものね。この後完成まで半月くらいかしら」
「は、はあ…」
ゾーラのお腹は妊娠6ヶ月くらいの大きさになってそこで膨張を止めた。
「えっ?私も……!!」
「ブリジットちゃん!しっかり!」
別の娘が1人、同じようにお腹が膨らみ出す。
地図・航法を担当するナビゲーターのブリジットちゃんだ。
…年齢的には妹達よりも年下だし、私服もベレー帽にブラウスとローブとか可愛らしいスカートからちらちらと健康的な太ももが覗いてしまうとか、見た目に反した天才少女で、なおかつ冒険者にも愛想を振り撒く彼女を孕ませてしまうとか、どこからどう考えても俺はこれから犯罪者扱いされてもおかしくないだろう…ごめんなさい、ブリジットちゃん、あとゾーラさん。
「なっ…こ、これはっ…まさか…人の子を孕むとはっ…不覚ですっ!」
「だから孕んでねえっての!っていうか…君、エルフだったのか!」
「は、はい、そうですが何か…?」
そして勢いよく声を返してしまった少女…さっき助けた巨乳シーフのダークエルフも腹を遠慮なくボテ腹にして驚きの声をあげていた。
嬉しそうにリリィがかけより、シーフちゃんにそう語りかけてはお腹をなで回す…心底気持ち悪そうにしながらもシーフちゃんは仕方なし、とばかりに納得したようでこちらに話しかけてきた。
「まあ…何はともあれ、助けていただきありがとうございました、私の名前はヴェルテ…今後ともよろしくお願いします…ええと、ローラン殿…私は、初めてではないので、気にはしておりませんから…」
「あ、あぁ…なんか申し訳ないな、いくら助けるためとはいえ…ちなみにヴェルテは彼氏はいるのか?」
「いえ…十年前に死別しておりますので、今は…」
「そ、そうか…」
森でのクエストを受ける際にエルフのコミュニティとの関係はかなり大事だし、無礼をしたり下手をすれば罠にかけられたり殺されてしまう場合もあるため、彼女の正体がエルフとわかり少し不安だったが、特にそういう交際関係もないようだし、ちょっとホッとするが…よく見ればどことなくシーフちゃんは嬉しそうだし、それにブリジットちゃんは……。
「そ、その…私も…お兄様の赤ちゃんなら…構いませんから…」
と頬を赤らめて、初夜を共にした幼妻のような目で俺を見てきている。
…ブリジットちゃんの家は名門だし、そもそもブリジットちゃんは俺をお兄様と慕ってくれてはいるが、元々は大学の教師達に頼まれて、モンスターの多い地域の調査のために冒険者になったような子だからな…風当たりは当然厳しくなるかもしれないな。