PiPi's World 投稿小説

淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 19
 21
の最後へ

淫魔剣トリス 21

全裸にクリスタちゃんから借りたマントを羽織り、さすがに処女を失った痛みはあるのか、足をひょこひょこさせながらも近づいてきたゾーラはその場で土下座した。

本来ならもっと簡単に自分があいつを仕留められた任務だった、という自覚と、リーダーとしての責任感を見せる人物像はさすがにギルドの冒険者側のまとめ役といったところだろうか。

「ぐすっ…本当ですっ!みなさんにっ…ご主人様を取られちゃうかと思いましたっ…うぅっ…ぐすっ…」

口を尖らせて抗議するトリスだが、気は収まったのか俺の身体をきつく包容しながらも、ゾーラにそう告げる…いっそギルドを変えようかな、なんというか今後のギルドの雰囲気が心配だ。
ただでさえ女性が8割の珍しいギルドなので、余計にやりづらくなるかもしれない…が、あんな怪物を使うやつらの脅威から皆を放置も出来ないからな。


「大丈夫だ…取られはしないよ。俺の大切なトリス…」

ひしっと抱き着いているトリスを撫でながら、できるだけ優しく言葉をかける…

「魔剣が主に捨てられたなんて話は、聞いたことないけど…?」
「でも、でも…怖かったんですよ?」
「すまなかったな」

リリィが横から口をはさんでくるが、俺はトリスを捨てたり取られたりするつもりは無い。どんな意味でも。
魔剣の名のある主達はタチバナ家初代のヤマトとかあのイシュトバーン王みたいに、何人も女を侍らせる性豪が多いが、魔剣とは終生うまくいっていた。


だからこそ俺達はもう少しうまくいってもいいはずなんだが…一体何がいけないのか? そもそも名前をあげた家なんかは魔剣を持ちながらも子供はたくさんの側室に産ませたりしていたはずだぞ。

「あー…お悩みのところすまないね、ローラン君…前から言おうとした…というか、言ってたんだけどさ…多分トリスちゃんが不安がったりやたらにローラン君やご飯を求めたがるのは…魔法石が入ってないからじゃないかな?」

「へ…魔法石ってあれか?あの魔導器とかに使うやつ?トリスにもあれがいるのか?」


「多分ね?ほら…よく見てみなよ?この初級開放されたときのトリスちゃん…柄の部分と剣のお尻の部分…魔法石が入る窪みがあるけど、肝心の魔法石が入っていないの…だから多分たくさん食べて、たっぷりローラン君を求めているんだと思うよ?安物の魔法石でもはまっていれば魔力を多少溜め込めると思うんだけど…ようは魔力を溜め込めないまま放出してるから、今のトリスちゃんは完全にローラン君頼みな上に駄々漏れ状態でいるから不安なんだと思うよ?…それが性格なら封印されていた問題アリな魔剣なのかもしれないけど」

自身の持っている記録用の魔法石により、トリスを使い戦う俺の姿を空中に投影しながらリリィはそう説明した…確かに間違いない、そういう剣のデザインじゃなかったのか…。


魔法石…この世界にある希少な鉱物の一つであるそれは、しかしながら生活には欠かせない物体だ。 

見た目は透明な石ではあるが産出国の一つであるタチバナ家が納めるヤマト国にある魔法術…木火土金水に合わせた色、青赤黄白黒に、魔術師の調整した属性の指向をもたらすことで色を変化させ、様々な効果をもたらしてくれる特殊な石だ。 
例えば火の属性を持った魔法石はそのまま火をいくらでも起こせたり、器用に使えば燃料のいらないボイラーや、巨大な魔導器…ボイラーがわりの魔法石を使った巨大な建設器や、移動のための馬が引かなくても自在に動き回る戦車や馬車なんかが作り出せる、凄まじい技術だったりする。

ただ国により産出量はかなり差があるし、この国で一般に出回っているものは正直あまり純度が高くない…前に金の属性を持った石を剣にはめて使ったことがあったが、剣はへし折れなくなり、切れ味も増す、便利な代わりに石自体の純度が高くなかったためか、二月くらいで石は割れてしまったし、割りのいい冒険で得た一回分の給金がパーになるくらいには高くつくような代物だったからな。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す