PiPi's World 投稿小説

淫魔剣トリス
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 10
 12
の最後へ

淫魔剣トリス 12

「遅れたか!畜生!」
「ゾーラさん!」
「ああ…」

やばい。ゾーラが倒されて女の子達が動揺してる。
俺に一番近い所でギルドの娘と斬り合っていたオークを一気に斬り倒す。
その叫び声は俺が斬り倒すのと同時だった。

「姉さんを返してよ!」
「待ちなさい!」
「待ってクリスタ!」

やや幼い声で叫び声が上がり、血相を変えたモニクが止めようとするが叫んだ子からは遠すぎて手が届かない。
革鎧を身に付けた女の子だ。何とかしないとあの子もやられてしまう。
ゾーラの妹のクリスタちゃんだ。12歳とは思えない発育のいい娘。
現にローブの女は何か術式を発動しようとしている。
俺も次のオークの首を刎ね、急ぐ。

「落ち着け!助けに来たぞ!」

俺は動揺を消すべく叫び、女の子達もオークどもも新手の俺に注意が向かう。

「あ、ありがとう!」

最初に助けた娘だ。服装からしてシーフか何かだろう。にしては胸がかなり大きいが…

「とりあえずこいつらを駆除するぞ!」
「はい!」

近くにいて襲い掛かってくるオークを速攻で突き刺す。
魔剣だけあって斬っても突いても灼けたナイフでバターを切るようにすっと刃が通る。
向こうではクリスタちゃんを別の女の子が必死に止めている。
モニクもそっちへ向かおうと必死だ。

だが現実はそんなに甘くはなかった。

「ブモオオオォォォッ!!」
「ギャッ!?」

俺やモニクがたどり着くよりも早く、オークの振り上げた棍棒がクリスタちゃんたちに襲い掛かった。
しかも運の悪いことに、それは彼女を押さえてくれていた少女にヒット。
開放されたクリスタちゃんは、弾かれたように黒フードに向かって走り出す。

「ダメっ!クリスタちゃんっ!!」

何とか追いついたモニクは捕まえようと手を伸ばすが、シーフの俊足の前にむなしく空を切った。
この時、無理をしてでも追いすがれば、彼女を止めることはできたかもしれない。
しかしオークに吹き飛ばされたクリスタちゃんの仲間の危機が、止めるチャンスを永遠に失わせた。
ぐったり動かなくなった少女にとどめを刺さんと、オークたちが動き出したのだ。
これ以上の無理はさらなるピンチを招くと判断したモニクは、思考を切り替えて倒れた少女の救出に向かう。
それを確認した俺は、クリスタちゃんを止めることだけに全力を注ぐ。
『俺に任せろ!』だなんて声は上げない。
ここで大声を上げたらオークたちの注意がこちらに向く。
そうなればただでさえ低い、クリスタちゃんを助けられる可能性がさらに減る。
ケガ人(仮)を守ってるモニクには悪いが、もうちょっとだけガマンしてもらう。
俺は武器化したトリスに心の中で『行くぞ!』と告げると、それに呼応するかのように刃がうっすらと光を帯びた。
主人の想いに応えてくれたことに感謝しつつ、俺はクリスタちゃんのもとへ駆け出した。
ライトアーマーと俺の体とが触れ合う音、土を蹴る音、オークと女の子達の戦う剣や棍棒の音、女の子達の息遣いにオークどもの醜い吐息。
その中を必死に走る。もっと近づけ!急げ俺!
立ちはだかるオークをトリスで斬りつける。
左の肩口をばっくりと裂かれたオークが激痛にのけぞり、俺はその横をすり抜ける。

「ブゲァ!」
「きゃっ!」
「すまん!」

俺のすぐ後ろで声がした。最初に助けた巨乳の娘だ。
返り血を浴びせてしまっただろうが、彼女がやられた気配はなく逆に一撃入れたようだ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す