PiPi's World 投稿小説

王国の境界線での肉欲
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 5
 7
の最後へ

王国の境界線での肉欲 7

ファブリスは上空の兵士達を指差す。
「まだ彼等が降りてきてないよ」
「そんなこと言ってる場合じゃないでしょ!」
「彼等はどうするのさ!」
「そんなものほっときなさいよ!」
「そんなこと出来ないよ!」
「じゃあ貴方一人でなんとか出来るの!?」
「それは……」
ファブリスが言い淀む。するとミルリーフは溜息混じりに言う。
「貴方が優しい人間だってことはわかるわ。でも今は私達だけでも逃げるべきだと思うの」
「でも…!」
ファブリスは反論しようとしたが、ミルリーフは聞く耳を持たなかった。
ミルリーフはファブリスの手を取り駆け出した。そしてその勢いのまま森の方へ走って行く。
「ちょ…!まっ…!」
ファブリスは引きずられるようにして走った。上空から兵士達の叫びが聞こえてきたが、それもすぐに遠ざかり消えていった…。
「ここまで来れば大丈夫かしら?」
「多分…」
ファブリス達は森の中を走っていた。といっても、全力疾走したのは最初だけで、今はゆっくりと歩いていた。
「まったく、あんな馬鹿げた連中の為に走るなんて無駄もいいところよ」
「あいつらが言っていた、国を滅ぼせる程の化け物って何だったんだろう?兵士達が浮き上がった事と関係があるのかな?」
その言葉にミルリーフの仲間達が口々に言い始めた。
「恐らくな。だがそれが何なのかまではわからんが…」
「いずれにせよ、俺達ではどうしようもない事は確かだ」
「居なくなったアルマンとやらが関係しているのか?」
「さぁ…僕にはわからないよ…」
ファブリスは答えたが、心の中では確信していた。アルマンが『風の精霊』を呼び出して、この騒動を起こしたのだと。
アルマンが居ない今、確かめようがなかったが。
しばらく歩くうちに、徐々に霧が濃くなってきた。視界が悪くなり前が見えなくなる。
ファブリス達の不安は増していくばかりであった。
「これは迷ったかもしれないぞ」
ミルリーフの仲間の一人が言った。
「そうね、こんなに霧が深くなるとは思わなかったわ」
ミルリーフは言った。
「とりあえず真っ直ぐ歩こう。道に出られるかも知れないし」
ファブリスの言葉に仲間達は同意し、歩き続けた。
一方その頃、兵士達は未だに空中で踊らされていた。
「うぐぐぐうぅ!」
兵士は必死の形相で耐えていた。しかしその表情とは裏腹に彼等の肉棒は勃起しており、その先端からはドクドクと我慢汁が溢れ出ていた。
妖しげな風が吹く度に彼等の敏感な部分が刺激され、彼等は射精寸前にまで追い詰められていく。
しかし、彼等の股間にまとわりつく風は、鈴口にしっかりと貼り付き決して精液を吐き出すことを許さない。
兵士達は恐怖と快楽の狭間に翻弄され、狂乱の宴を繰り広げていた。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す