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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 7

思わず彼女が顔をそむけたのも無理はない。
20頭は居よう獣人の群れは、それぞれの角や体格に差こそあれ、一様に全裸のままでたいまつを高々とかかげつつ、炎のように熱くたぎる血潮で膨張させた自らの物を、囚われのランディに向けて誇らしげに掲げていたからである。

目覚めた瞬間からランディの鼻孔を刺激していた、糞尿とけがらわしい体液のにおいが入り混じった獣の臭いの発生源はまぎれもなく、脈打ちながらずらりと並んだそれらなのだった。
欲望に充血しきって青ずんだ、大粒のブドウのような先端部たちが、哀れないけにえのように鎖に縛られた彼女を静かに、しかし熱く見下ろしている…。

あまり手入れされているとは言えないが、豊かで腰の強い、長くうねる銀髪。
まがまがしい男根の群れに取り囲まれた羞恥によってそむけられ、恐怖が染み出させた脂汗が浮かぶ、その横顔。
意思の強さを示してキリリと生え揃った、しかし今は怯えにひそめらている、太い眉。
たいまつの灯りを反射させながらふるえる、長い睫毛。
苦労の末にスコルを一人前に育て上げたたくましさと慈愛、そして濃厚な情熱をただよわせる、厚くぽってりした唇。

そして。

半ばずり上がってしまった毛皮のブラの隙間から今にもおしだされてしまいそうな、大振りな水蜜桃のように艶やかな、ふたつの乳房。

さらに下方には。

その野趣あふれるデザインも手伝って、毛深く密生した恥毛のようにすら錯覚される、まろやかな尻に食い込む毛皮のビキニ。
さらには恐怖と絶望に汗ばんでいるであろう、そのビキニに包み隠されているこんもりとした秘丘。

その全てに、彼らの淫らな目線が絡み付いているのをランディは全身で感じていたのだった。

「なんという生命の息吹よ……これほどに霊魂の波動を感じる女体は久しぶりです………やはりわたしの目に狂いはなかった・・・これほど熟した女体ならば、わたしの婚約の印を与えるにふさわしい……」

熱い獣たちの目線にくじけそうになっていたランディはようやく我に返り、憎むべき相手を真正面からにらみつけ、
「………何をバカなッ!!……お前が何者かは知らんが、誇り高き我れを見くびるでないぞ!!」
いきなりそう叫ぶやいなや、ランディは自らの舌を前歯ではさみつけると、そのままおもいっきり歯を食い縛ってしまった!!
「おおッ!?……なんということをッ!!」
わずかに吹き出したランディの血潮を浴びながら、うろたえるフードの人物。
ぶおお、むほぉぉっ…
むぅおおおおっ…
周囲のミノタウロスどもも明らかに動揺し始める。
「よりによって………よりによって死を選ぶか!!」
今まで穏やかで冷静に振る舞っていたはずだったフードの人物が声を震わせたのだが。
「しかしッ!!」
聞き取りにくいしわがれ声でさけびながら、彼はマントのふところから、薄汚れた古い羊皮紙の巻物を取り出すと、
「お前の思う通りにはさせぬッ!!!」
枯れ枝のように干からびた人差し指の先をかじるやいなや、その巻物にスラスラと、なにごとかを書き記した。
(……なにがさせぬだ……もう遅い………さよならスコル、さよ な ら …)
喉奥で急速に収縮した舌に呼吸を妨げられ、ランディの命はもはやだれの目から見ても風前のともしびであっただろう。

しかし。

奇妙な現象が起こったのは、次の瞬間だった!!
……
…………
………………

「これならば、わたしの婚約の印を与えるにふさわしい」

「………何をバカなッ!!……お前が何者かは知らんが、誇り高き我々を見くびるでないぞ!!」

いきなりそう叫ぶやいなや、ランディは自らの舌を分厚く情熱的な唇ではさみつけると、そのままおもいっきりフードの人物の口元に吸い付いてしまった!!
「おおッ!?……なんというこフォヴむぅッ!!」
わずかに吹き出したランディの唾液を浴びながら、歓喜にむせぶフードの人物。

ぶおお、むほぉぉっ…
むぅおおおおっ…
周囲のミノタウロスどもも明らかに興奮し始める。

(……な、なに!?………わたし一体、何をやって……)

事態の変化に動揺する彼女の脳裡と裏腹に、確かに自ら噛み切ったはずの舌は、貪欲に相手の舌をとらえて絡み付いていくのだった。

からみあう舌と舌のあいだで交換される、唾液に微かに混じっている血液の臭いだけが、突如変化してしまった現実の残り香であった。

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