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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 6

どちらも充分すぎるド爆乳コンビが化け乳と評価し、さらには大事な部分の無毛を連想させるセリフを聞かされてしまっては、石垣を組んで造られた湯船に隠されているその景色を確認しようと身を乗り出してしまったスコルを、誰が責められよう?

(………あ、アラ!?)

「ハイ、まんまと仔犬ちゃんがワナにかかっちゃいましたとさ」
「めでたし、めでたし、ですわね−?」
「さーて、覗きのお代はたーっぷり支払ってもらうぜ〜、犬ッコロ♪………【盗賊のハナ】のスキルをなめてたんだろうがな、さっきから硫黄の腐った玉子のニオイに混じって、オメーのくっせえ半熟タマゴの匂いがプンプンだったんだよ!!」
月光にすっかり身をさらしたスコルを、全裸の3熟女が勝ち誇ったように見下ろしていたのだった。

・・・盗賊のハナ。
盗賊家業を営む者ならば最初期に習得する、ジョブ固有の宝物位置特定スキルである。
レベル上昇に伴って、範囲や個体数、果てはその種類までもかぎ分けてしまう、転職後も役立つこと請け合いの便利スキルとして広く普及している。
もっともシーマのお宝は、金銀財宝に限らなかったのは言うまでもないが…。

(た、タマゴじゃなくって精液なんですけど…)
彼女のスキルに一杯喰わされたスコルの脳裏に浮かんだツッコミ台詞だけが、哀れな彼の唯一可能な抵抗だったのである。

△▼△▼△▼

………スコルが3名の熟女どもに覗きを発見されてしまった時刻から、およそ半時をさかのぼる。

(……う、ううっ)
ヘンドリー村から数キロ北東にそびえる、巨岩を削り出したような険しい山岳地帯である。
火山帯特有の有毒ガスの漂う小さな火山湖のほとりに、かつての噴火によってできた無数の洞穴があった。
深夜の冷たい空気によって冷やされたしずくが肩の上に落ちた瞬間、彼女はようやく目を覚ました。
「……こ、ここは!?………」
家畜小屋のような強烈な獣臭に、微かに硫黄のにおいが混じった暗闇が目の前に広がっている。
インフラビジョンを駆使して周囲を暗視しようと顔をあげた瞬間、彼女の両手首が重い鎖により繋がれていることに気付かされた。
赤々と錆びているが、おそらく彼女が獣化しても引きちぎれないほど太くて、おそろしく重い鉄の鎖であった。

「……ミノタウロスのほこらへようこそ、人狼族の姫君……いや、ランディさんでしたかな?」

パキリ。
小さな枯れ枝が折れたような、指を鳴らす音がほこらの中をこだましていく。
「!?」
途端に、冷えきった溶岩の壁にずらりとかかげられていたたいまつに一斉に火が灯った。

「………美しい」
ランディを真正面から見つめる、ボロボロのフード付きマントの人物から、しわがれたため息が漏れ聞こえてきた。
「彼らの噂を信じて良かった………三十数歳を過ぎてなお損なわぬ美しさと、野生の神々の神秘が合わさった、熟して枝から落ちる寸前の果実のような狂おしい色香……これほどとは」

ふうっ、ふうっ、ふうっ、ふうっ・・・

フード姿の人物の賞賛に呼応して、周囲から多数の呼吸音が聞こえ始めた。
(えっ!?)
彼女を取り囲むようにズラリと並ぶたいまつを掲げていたのは、全て屈強なオスのミノタウロスの群れなのだった。
(ウウッ…こ、これは………)

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