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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 5

はち切れんばかりの肉体を辛うじて守っていたはずのビキニアーマーが、上下とも吹き飛んだ瞬間。
温泉宿周辺の大気が震え、古びた脱衣小屋の窓が外れて転がってしまった。
「張り合えって言ったか!?……張り合えって言ったのか!?!?………それならこの見事なチチの張り手を喰らいやがれッ!!!」

・・・狂戦士。
バーサークと呼ばれる、戦闘時の怒りや気分高揚と共に限界以上の破壊力を一時的に引き出した状態をさす言葉である。
第一印象では間違いなく鈍重なはずのアンナの秘められた強さの秘密が、かなりもったいない状況で発揮されたのだった。
広いひたいを守る金属製の鉢金(サークレット)、守護の祈祷を込めた護符を一緒に編み込んだ両腕のゴーントレットとブーツこそ無事であったが、同じく守護の印を刻んだ耳飾りと、首から下げた冒険者の割り札以外はなにひとつ身に付けていない、産まれたままの仁王立ちのアンナの姿が月明かりに照らし出された。
彼女の豊満極まりない裸身に反応したスコルの分身も、テント状の姿を月光にさらしていたのは言うまでもない。


ブインッ。

切り出した木の幹のようなうなりをあげ、色白のせいでなおさら色素沈着が際立つ先端を持つ乳、というかもうお肉の塊が空を切る。

(…………!?)

それもそのはず。

必殺の気合を込めたはずの「乳刀」になぎ払われるはずの憎っくきシーマは、彼女の背後にあきれ顔で立ち尽くしていたのだった。
「あーんたさー、クニに帰ればコドモ3人に孫まで居るんだったろーー!?……老眼鏡忘れて来るんじゃねーよ」
「………そ、そうねそうね………メガネ、メガネ…………」
(……無駄じゃね!?……バーサークスキル無駄じゃね!?……攻撃目標見失うほど老眼じゃ意味無くね!?)
てっきり盗賊のシーマがビハインドシークのスキルを発動し、背後をとったのかと勘違いしてしまい、すっかり期待を裏切られたスコルであったが。
(おおぅッ!?)
すでにバーサーク状態を脱した彼女が、地べたに這いつくばって落とし物を探し始めたからたまらなかった!!!

無駄肉、無駄技、無駄口。
3熟女最強の無駄三冠王アンナであったが、お約束だけは裏切らない。

近年対巨獣用に開発されはじめたと噂に聞くカノン砲よろしく、砲台アンナの巨尻は彼の潜む岩影の方に狙いを定めていたのである。
(す、凄すぎる……)
空に浮かぶ三日月に照らされて輝くそれは、隕石跡の全くない双子の満月のようであった。
そして双子の満月同士の狭間には、ふたご星唯一の小さなクレーターと、黒い縮れ毛に飾られたクレバスが息づいている…。
まるで熱いマグマを内に秘めた噴火口のような野性味あふれる、いや、巨大な鉄球を打ち出す大砲のような精悍な光景である。

知らずのうちに自分自身をさすり始めていたシコル、いやスコルも既に、噴火寸前と言って良かった。

「ンもー、しょうがないわね二人ともー、いっつもケンカばっかりするんですからー……面倒見るほうの身になって下さいよねーホントにー………ほらここに落ちてましたわよ、メガネ」
酔いのせいで泣いていたはずだったマリアの、いかにも保護者ぶった言葉が、露天風呂のあたたかな空気を一瞬で凍りつかせたのがスコルにも判った。
いったんはおさまりかけたはずの怒りが、再噴してしまったのである。
「ナニ偉そうに語ってやがんだこのアバズレ!!」
「いつまでお風呂でそんな気取った服着てンのよー!?……神罰下るんじゃなかったのー!?」


日中の戦闘でスコルに対して仕掛けられたのと同じ、息の合った連携攻撃が、またしても無駄な状況で発揮された。

「ソレッ!!」
「ハァッ!!」

なんの言葉のやり取りもなく目配せだけでタイミングを合わせると、左右から同時に尼僧マリア
は押さえ込まれてしまった。

・・・ドボン!!!

勢い余ってお湯のなかに頭から飛び込んで、大きな水柱をたてる3人。
「コノヤロー、化けヂチがそんなに偉いのかコ゛ルァア!?」
「ダメーッ!!聖印だけは返してーッ!!」
「生意気なセリフは、大事なソコにちゃんと、金色のお毛ヶが生えてからおっしゃい!!」
「イヤーン!!………信者をお救い下さらないなんて神様のばか〜〜!!!」
半笑いを浮かべて襲いかかる二人の両手が、濃紺の彼女の法衣を、深い切れ込みのロングスカートを、容赦なく宙に放り投げてゆく。

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