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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 45


その瞬間だった。

ドガッ
「!?」

「クッ………もうちょっと痩せてよね?」

「あ、アンナ!?」
危ないところで、落下するシーマをアンナがダイビングキャッチしたのだった。
「………だいたい、こんなパンパンに顔むくんでるなんてもう、いい加減に酒やめればどう?」
「ソコは、オレのケツだ−−!!」
上下逆さまに抱きかかえられたシーマが叫んだ時だ。
『ヴモオオオオオオオッ!!』
怒り狂ったドスミノスの酒樽を繋げたような巨腕が、おバカな無駄口を叩きあう二人の頭上に降り下ろされる!!

ボキッ
グシャアッ

巨牛の拳が、二人の熟女のいた地面に容赦なくめり込んだ。巨牛自身の指の骨が折れるほどの怪力を、その衝撃と音とが伝えてくる。

ふたりの熟女の血潮と体液が、拳の下に広がっていった。

カサカサカサカサ……

「アッハハハ・・・流石のお二人も、このオメガの前では無力でしたねぇ」
頭上からの不快な羽音が、あざ笑う声とともに降り注ぐ。
「見事にペシャンコに潰れた、熟女のミンチピザ2枚、存分に召し上がりなさい!!」
勝利を確信した昆虫人間が、巨大なしもべに食事をうながした。
ドスミノス・オメガが肉片と臓物のしたたる拳を味わおうと持ち上げ、その口元へ近付けた。

「主よッ、聖霊の慈悲と祝福を込め、我に続いて福音をッ、高らかに唱和せよッ・・・」
『ヴォオオァ!?』
オメガの食事を、祈りの叫びがさえぎったのは、その時だった。
「瞬速祈祷ッ、回復祈祷ッ・・・集いて和せよッ、"高速漸次回復祈祷"ッ!!!」

「なにッ!?」
オメガの頭上を舞っていたバグーがひるむ。

小さな水溜まりのようにベッタリ広がった、アンナとシーマの血液と骨肉が、白い光に包まれながら再び形を形成してゆく!!

「遅かったじゃないですか?・・・3人がそろうのをお待ちしておりましたよ!?」
カサカサカサカサ・・・

「はぁ、はあ………はああ」ヘロヘロッ
「んだよマリア、遅刻した上にもうリタイアか!?」
「ダメ・・・もう食べられ、じゃない、走れなーい・・・」
がくっ。
「ふ、二人ともッ!!・・・は、走ってッ!!」
アンナの叫びに振り向く二人。
「「へっ!?」」

『ヴモモオオオオォォッ!!!』
ようやく揃った3熟女の頭上に、オメガの拳が再度降り下ろされるところであった。

「「「やばいやばいやばいやばいやば……」」」
バグシャッ
ボキボキッ

濃厚な熟成チーズを振りかけた3枚の肉ピザが出来上がる瞬間を誰もが想像したろう。

しかし。

破片を撒き散らしながら折れて砕けたのは、オメガの頭部に生えた巨大なツノであった。

「・・・チィッ・・・も、もう一匹いましたかッ!!!」

3熟女が仲良く叩き潰されるより一瞬早く、風のように駆け抜けながらドスミノスの立派なツノを叩き折ったのは、銀髪をなびかせた、ひとりの屈強な若者であった。

「「「スコルッ!!!」」」

3熟女の安堵の声と共に、白目を剥いて気をうしなったドスミノスが轟音をあげて倒れてゆく。

「ついに見つけたぞ、フード野郎ッ・・・ねーちゃんを・・・ランディを返せッ!!」
倒れてなお小山のごときドスミノスの巨体を踏み台に、人狼族の若者は叫びながら跳躍する。

「だ、誰かと思えば、しつこい犬ですねッ!!」
「狼はしつこいんじゃないッ、執念深いんだよッ!!」
スコルの鋭い爪が、バグーの半透明の羽根を引き裂く!!

「うおっ!?」
流石に千切れはしなかったものの、羽根を傷つけられたバグーはフラフラとバランスを崩してしまい、高度と速度を落とし始める。
「やばいやばいやばいやばい、やばいですよぉ〜〜ッ!!」

その時だった。

ドスドス、ブスッ!!

「こ、この矢はッ!?」
気配を全く感じさせずに自分の胸を刺し貫いた3本の矢を見つめ、愕然としたままバグーは一気に墜落してゆく。

「ねーちゃん・・・いや、ランディーッ!!!」
消音機能を備えたショートボウ"風間の弓"を構えた人狼族の姫の姿を見つけ、スコルは歓喜の叫びをあげた。

しかし。

……
…………
………………

「うおっ!?」
流石に千切れはしなかったものの、羽根を傷つけられたバグーはフラフラとバランスを崩してしまい、高度と速度を落とし始める。
「やばいやばいやばいやばい、やばいですよぉ〜〜ッ!!」

その時だった。

ドスドス、ブスッ!!

「・・・こ、この矢は・・・」
気配を全く感じさせずに自分の胸を刺し貫いた3本の矢を見つめ、愕然としたままスコルはは一気に墜落してゆく。

「ねーちゃん・・・ねーちゃんの・・・」
消音機能を備えたショートボウ"風間の弓"を構えた人狼族の姫の姿を見つけ、スコルは弱々しいつぶやきと共に多量の血液を吐き出した。

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