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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 44

彼女らを犯し続けて既に疲れきっていたオスウシどもは反応が遅れ、次々にダガーの餌食になってゆく。
銀器の腐蝕がしっかり研磨される頃合いを見計らっての反撃。
二人の阿吽の呼吸が産み出した、絶妙なコンビネーションであったが。

ドドドドドド・・・
『グモモモモモモモーーーーゥン!!!』
勝利を確信しかけたアンナとシーマの動きを、大地震を思わせる地響きと雄叫びが止めてしまう。

『グオオオオォォォーーーーゥン!!!』
温泉郷の母屋と同じくらいの巨大な影が、村全体を揺るがして出現した。

ミノタウロス族のなかでも体の大きな者同士を意図的に掛け合わせ続け、かつ特殊に生成した乳のみを与えて育てた、大規模戦闘用の生体兵器。

・・・ドスミノス!!

そして。

「・・・おやおや〜、お久しぶりですおふたりさん」

「「!?」」

「ひい、ふう・・・なんだかおひとり足りないような気もしますが、まあいいでしょう・・・さあオメガ、お待ちかねのゴハンの時間ですよ〜?」

頭上を飛び回る、耳障りな羽音。
聞き覚えのあるかすれ声。

昆虫人間バグーと、アンナとシーマ。
追うものと追われるもの。誇りを奪った者と傷つけられた者とが、ここにようやく再会を果たしたのだった。

▽▲▽▲▽▲

『ヴォ"オ"ガァァアッ!!』
ズドドドドド・・・

「や、ヤバイッ……走れッ!!」
「もうとっくに走ってるわよッ!!」
元々古びていたとはいえ、2階建てのヘンドリー温泉郷の母屋をあっさりと粉砕しながら突進してくるドスミノスに、シーマもアンナも背中を向けて逃げ回るしかない。

ドガガガガガッ。

砕けた重いレンガのかたまりが弾け飛び、折れた木の柱が地面に突き刺さる。大きな両開きドアがくるくる回りながら飛んで、アンナの頭をかすめて追い抜いてゆく。
「ヒイぃぃッ!?」
巨大な欠片がいくつも露天風呂の湯船に飛び込んで、水柱をあげた。
「エイくそッ・・・アンナ、ダガーよこせダガー!!」
「は、ハイッ!!」
崩壊した温泉郷の瓦礫の中を駆け回りながら、シーマはアンナの投げたダガーを空中に飛び上がってキャッチした。
「おっと!!」
着地したシーマの頭上を、ドスミノスの剛腕がうなりをあげてかすめてゆく。
「いつまでも逃げてちゃカッコ付かないからね!!」
二刀流の構えとなったシーマは再度跳躍し、巨大なドスミノスの腕に飛び乗った。
「うおおおおおおッ!!」
叫び声を上げながら、全裸の女盗賊が、ドスミノスの巨腕を階段に見立てて軽やかに駆け登る。

「喰らえッ!!」
ドカッ

シーマの渾身のダガーの切っ先が、深々とドスミノスの片眼を潰した。
『ヴグヴォオオオァァァアアアッ!?』
左目をおさえてのけ反る巨体。

だが、シーマの狙いはそんなものではない。

「よっしゃ、これなら届くッ!!」
勝利の確信を込めた叫びをあげ、突き刺したばかりのダガーを足場代わりに、更なる高みへと跳躍を果たした。
のけ反った巨牛の鼻面を蹴って飛び上がった女盗賊は、もう一本のダガーを素早く一閃する!!
「この虫ケラ野郎ッ!!!」

「・・・お〜っとっと・・・危ない危ない」
すっとぼけた声の主はしかし、一瞬早く羽根を震わせて一撃から身をかわしたのだった。

「く、クソッタレェエッ!!」
跳躍からの一撃をかわされたシーマは呪詛の声を上げながら、飛び上がった時以上の勢いで真っ逆さまに落下してゆくしかなかった。

「虫けケラのように死ぬのは貴女の方でしたね?」

2階建ての家並みの巨体の足元にシーマが叩きつけられるのを見下ろしながら、バグーの声が耳障りに鳴り響いた。

あわれな女盗賊が、瓦礫に埋もれた地面に叩きつけられる。
シーマ自身も諦めて眼を閉じかけた。

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