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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 4

(クソッ……)
満月期の最強の状態ではなかったとはいえ、獣人化して能力が倍加していたはずのスコルをあっさり狂わせた呪術の対抗策は全く浮かばない。さらに、通りすがりの呑んだくれオバサンの冒険者風情に助けられた体では恥の上塗りでしかない。
彼の誇り高い魂は、いちじるしく傷つけられていた。

ボロ屋敷然とした古宿の裏口を脱し、石垣づたいに外を目指す彼の歩みはしぜんと速度を増したのだったが。

「さあーて!!……寝覚めの露天風呂だぁ!!」
「……寝覚めの迎え酒もでしょシーマ………ってもうカラッポねこの瓶…」
「お二人とも、まだ酔っぱらってるんですか!?……お風呂は脱いでから入らないと神罰が下りますよ!!」

火山帯特有の硫黄臭い湯けむりとともに漂ってきた、なんとも呑気な話し声が、彼の足を停めたのである。

△▼△▼△▼

「なんだアンナお前、最初会ったときから比べっと、順調に腹筋が脂肪に埋もれちまって随分だらしなくなってきたなぁ?」ヒック
夜目にも判るくらい、褐色に焼けた肌を今は酒による朱色に染めたシーマは、隣でふらついているアンナを肘でつつく。
「失礼ねシーマ……あんたこそ、年長者に対して呼び捨てなんて失礼よ!?……あ、ご免なさい、あたしったら飲み過ぎちゃったみたい………あんたが老け顔気にしてたの忘れてた〜♪」ウイッ
つついたシーマの方が逆にバランスを崩し、脱ぎにくいが身体に密着し隠密性の高いと言われる小型の竜種グレイサーペントの革パンに苦戦中の片足立ちの姿勢のまま、板張りの床に尻餅をついてしまう。
「い、痛いっ…シーマさん、そんな古びてウロコの逆立った古い装備いつまでも履いてないで下さいよう…ほらここ、鱗のせいで引っ掻き傷が……あれ、ヒーリング唱えらんないよぅ」グスン
「うっせぇぞコノ、男色妄想シュミの変態破戒僧ッ!!……お前泣き上戸だったのか!?」
「変態じゃないもん!!………倒錯した美少年は別腹だモン!!」メソメソッ
倒れた姿のままでようやく脱げた革パンが、彼女の尻の合わせ目にたった今まで食い込んでいたであろう黒いヒモ状の下着ごとマリアに投げ付けられる。
「イタタッ、ホント痛いからヤメテくれない!?……あたしのわき腹にもキズが………」
巻き添えを食ったアンナが怒り出す。
「だからオメーのは傷じゃなくてデブの肉割れの跡だろうが!!」
大声で怒鳴りながら立ち上がったシーマは、既にあらわになった下半身を隠そうともしないどころか、革パンと同じグレーに染め上げたスエード革の胸当てを外すやいなや、ぷにった脇腹をさするアンナに叩きつけるのだった。
その勢いにつられ、露出部分よりわずかに陽に焼けていないシーマの、牛の角のように反り返った乳が双つ、ブルルンと姿を現したのだった。
他の二人を威嚇するように、地肌よりも薄い茶色の先端が鋭く尖っている。
「どうだい人生の先輩方!!……悔しかったらこの水牛バストに張り合ってみやがれっーの!!」ヒィック

(す、スゲー……)
自分の喉が思いのほか大きな音をたてるのに自分で驚きながら、人狼と言えど立派な成人男性には違いない哀れなスコルは、彼女らの声を聞くやいなやとっさに息を殺して岩影に身をひそめたのだったが。
(な、なんだコイツら……い、いいトシしたババアどものくせして…あ、案外ッ……)
しかし、脱出の決意に燃えていたはずの哀れな彼以上に哀れだったのは、毛皮の下履きを痛いほど押し上げている硬くそそり勃った欲望の方だった。
彼から見えるのはシーマの後ろ姿であったが、無駄肉の少ない背中とくびれ、やや毛深い中心部をのぞかせた、張りのあるヒップが両目に突き刺さる。
(…け……けしからん)
けしからんのは結局覗きに興じている側なのも忘れ、元々夜目の効く人狼族の彼の瞳は、更なる観賞目標を求めて月夜の薄闇に目を凝らした。


「デブって言ったのは、このクチかーーッ!!!」
(ソコかーーーー!!!)
湯けむり越しの月夜を、そしてスコルの心のツッコミを女の雄叫びが引き裂いた。
一見すると穏やかな雰囲気の(やや小太りだが)黙っていれば貴婦人で通じそうなアンナの品のある美貌が、酔いではなく怒りに染め上げられた。

「コレはッ……この、コノ跡はッ……肉割れじゃ無くて、に、にん、妊・娠・腺ダァ〜〜ッ!!!」
叫びと共に頂点に達した怒りはアンナの肉体に作用し、彼女の全身の筋肉を瞬時に膨張させた。

ドバッ!!!

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