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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 3

「アアん?なんか抜かしやがったか!?犬ッコロ!?」

「何も言ってねーよ……言ってねーからその垂れ気味の乳スリ寄せるのやめてくれ!!」
「キャハハ、こいつ赤くなってやがるぜアンナ!?」
「…赤くなるだけじゃなくて、硬くなってるかもしれないわね?……ねえスコル、チョッと確かめてもいいかしら?」
「さ、触るなってばこのイロボケ婆ァども!!」
「……拒絶はいけませんよスコルさん?………我が神の教義はあくまでも寛容です」
「あ、尼さんも呑気に見てないでとめてくれ〜〜!!……ここはド田舎でも一応、街道筋の真ん中なんだぞ〜〜〜!!!」
「照れるなよ犬ッコロ♪」

破廉恥な冒険者一行であったが、暴走熟女たちが公衆の面前で哀れな野良犬を餌食にする前に、なんとか村の宿にたどり着いたのだった。

△▼△▼△▼

「ちくしょう……いつまでもこんなところでグズグズしていられるかよ」

小さな山あいの村、ヘンドリー。
傍若無人な熟女どもに拉致されるかのようにつれてこられた哀れな人狼の若者、スコルは独り毒づいていた。
その険しい山すそに位置する古いびた宿、ヘンドリー温泉郷の一室。
いや、いくらへんぴな山村の古宿とはいえ、かかったままの蜘蛛の巣や、絨毯のように積もった埃の残った客室などあるはずがない。
哀れな彼が部屋としてあてがわれたのは、汚い屋根裏の倉庫だったのである。

時刻はおそらく、真夜中を少し過ぎたあたりであろうことは、彼を見下ろす三日月の位置が教えてくれた。
剣士アンナ、盗賊シーマ、尼僧マリアの3人はヘンドリーに到着早々、村の中心にある居酒屋で下着一枚のスコルに酌をさせるかたちでさんざん酒盛りを楽しんだあげく、なかば叩き出されるようにこの宿の一室に転がり込んでいるはずだった。
3人同時に担ぎ込んできた時の肩の疲労はまだ癒えていなかったが、下の階の3人の部屋からイビキが聞こえてこなくなった今が、逃走のチャンスであった。

『わたしにかまわず逃げなさい、スコル!!』
『!?……ね、ねーちゃんッ!!』

…ミノタウロスどもの怒号にまぎれて聞こえた悲鳴のような叫び声が、彼の脳裏をよぎる。
(ねーちゃん………ランディ……絶対に助けるからな)
彼と同じく陽に焼けた肌と、腰まで伸びた銀褐色の巻き毛をなびかせた、彼にとっては育ての親でもある彼女の微笑みがまぶたに浮かんだ。
彼の一枚きりの下履きと同じ、デビルベアーの毛皮のビキニに包まれた、年経てなお衰えを見せずみずみずしい、しかし年相応に脂の載った豊満な姿態を思い出す。
赤子だった彼を、当時まだ数えで12歳だった幼いランディは文字通り必死に世話を続け、彼自身が二十歳を過ぎる頃には見事、立派な人狼に育て上げたのだった。
彼にとってランディは、血のつながりこそ皆無であれ厳しくも優しい母であり、姉であり、そして密かに思慕する敬愛すべき女性だったのである。
・・・人狼族。
俗にワーウルフと呼ばれ、古くから恐れられている化け物と人間の2つの姿を持つライカンスロープの一種である。
その元祖は太古の獣神や犬神の末裔とも、あるいは高位の吸血鬼がしもべとして創造した合成生物であるなど諸説あるが、宗教の普及と共に迫害され続けた現在では、棲み家を辺境の山間部地域に追いやられ、いちじるしくその個体数を減らしていた。
ヘンドリー火山帯に居を構えていた人狼族の最後の生き残り。
それがこの若者スコルと、育ての親にして美しき女性ワーウルフであるランディなのであった。
古くから縄張りを争い合っていた、数に勝るミノタウロス族の陰謀により、スコルは彼女を奪われてしまった。
その追撃戦のさなか、敵の親玉ミノス王の側近であるとおぼしい小柄なフード姿の人物が現れ、彼の妖しげな呪術によって思考を狂わされたスコルは牝の牛族戦士どもと乱交を始めてしまったのだった。
その隙に、フードの呪術師ともどもミノタウロス軍団はまんまとランディをさらって逃走を果たしたのであった…。

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