PiPi's World 投稿小説

アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

の最初へ
 20
 22
の最後へ

アラサー冒険者 22

左右に激しく首を振り乱しながら、中出しをせがむマリアであった。
しがみつくマリアの腕に、意を決してうなづいたスコルの動きが伝わる。
それが合図となって、ふたりの動きはさらに加速してゆく。

「「はぅッ、クふぅっ!!」」

汗を散らし、息を激しく乱しぬいた末の、ふたりの淫らなセッションの最後の和音が奏でられたのは、それから間もなくのことであった。

心地よい疲れと汗が、急激にスコルの体熱を冷ましてゆく。
受け止めきれなかった体液を涙のようにあふれさせ、マリアもまた歓喜の涙を流していた。

「くぅ、ううフッ!!」
ひと呼吸遅れて、シーマにも4度目の絶頂がおとずれていた。

まるで流れ星が消えて行くように、ふたりの女の陰核の妖しい輝きがはかなく消えゆくさまを、欠けた月だけが見下ろしていたのだった………。

△▼△▼△▼

「オーイオイ、コラッ」

ドカッ。

「……いつまで眠ってってやがんだァ?オメーはッ!?」
疲労感からまどろみかけたスコルの背中に、シーマの蹴りがヒットする。

(痛ってぇな……)
眠気と痛みを払うように頭を振りながらスコルが身を起こすと、ほぼ身支度を整えたシーマが、白み始めた月夜を背に腕組みして立っている。
「おはようございま〜す」
宿から借りたらしい大きな綿織物の布で金髪をぬぐいながら、マリアも脱衣小屋から顔を出す。

「んン〜・・・もうダメそれ飲めな〜ぃ……」
シーマに後頭部を殴打されたアンナだけが、マリアと同じ綿織物にくるまって寝返りを打った。


「ホレよっ」
「!?」
シーマの声に振り向くと、生乾きの小さな毛のかたまりがスコルに投げ付けられる。
「ずいぶん子種臭〜くなってやがったから、洗っといてやったぜ?」
それは、いつの間にか爪先を抜けていた彼の下履きであった。
「う・・・」
まだ流石に冷たかったが、スコルはすぐにそれを身に付けた。
ふと顔をあげると、シーマはこちらに背を向け、消えかけた月を見上げている。

ほんの数刻前、スコルはマリアと性交し、結果として彼女を発情状態から救った。
それを見守りつつ自分を慰めて状態を脱したシーマもまたしかり。
言葉にはしないが、自分達を助けてくれた礼のつもりだと、彼女の背中が言っている気がしたスコルであった。
こちらも礼を言う気はないから、お前も余計なことを訊ねるな。
その背中はそう言っている。
そんな不思議な確信があった。

夜明けの近い、消えかけた月光を反射する、アンナの逆ハート型の尻がスコルの目にとまる。
丸出しのままの彼女の中心は、今は光っていない。意識を失うと同時に発情が収まるのかも知れなかった。

彼女らを、意に反して男を欲する体にしたという「ゴキブリ野郎」とはいったい何者なのだろう。
そこからさきは、シーマもマリアも語る気配がない。
体を触れあわせはしたが、心を通わすにはまだ時間がかかるのだろう。

(むぅ・・・!?)

ドドド・・・

かすかな地鳴りのような振動が、物思いにふけっていたスコルの耳とうなじの毛を逆立てたのはその時だった。

この地域をに温泉をもたらしている火山の活動。
この場にいる誰もがそう思った。

「しまった!!」
その勘違いに最初に気づいたのはシーマであった。

ブモッブモッ、ブモモッ
グヴォッ、ヴゥォッ、ヴムォオオッ

この音を聞けば、接近するその叫び声の主たちが牡のミノタウロスの一団だと言うことはスコルやマリアにも判った。

(チィッ・・・犬ッコロのパンツの匂いにまぎれてやがったか!?)
本来なら男の精液臭にすぐ気づいたはずのシーマであったが、とんだ誤算だった。

(数は、7、いや・・・8匹以上か!!)

「犬ッコロはマリアと宿の中へ駆けこめ!!・・・おいアンナのバカ!!・・・お前もさっさと起きろっての!!」

気絶したままの彼女のケツに爪先で蹴りをくれてやりながら、シーマはとっさにアンナの長い髪を結んでいる長いリボンをほどき、
「チョッと借りとくぜッ!!」
そう叫びざまその場にしゃがみこむ。

SNSでこの小説を紹介

ファンタジー系の他のリレー小説

こちらから小説を探す