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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 2

筋肉質な青年が牝のミノタウロスを背後から貫いていた。
その周囲には、牝と番いらしき牡のミノタウロスが数名泡を噴いて倒れていた。
彼等は簡単な毛皮の鎧を身に付けているのだが、どういうわけか全員下半身の装備が完全に剥ぎ取られ、下半身がむき出しになっていた。
「中々に興奮する光景だけど…、ミノタウロスが倒れているのが気になるわね」
そう言うのはアンナ。

ミノタウロスはかつて迷宮や洞窟に巣食い、人々から定期的に生け贄を取る魔物であった。
神話の時代の大戦において魔王側について半神が率いる人間に敗れてからは数が減少して妖魔の用心棒などに没落していた。
牡は立派な角を持つ牛の頭に人に似た屈強な肉体を持つ巨漢で、牝は人の豊満な女性に小さな角と牛の尻尾と足に蹄を持つ姿だった。
高い膂力と長柄の斧を自在に操ることで恐れられていたが、気絶している牡は刃物などの外傷はない。
青年との殴り合いの結果だったと容易に想像できる。
もちろん、一介の野生児がミノタウロスに喧嘩で勝てるはずがない事も火を見るより明らかだった。
「彼、きっとアレでしょ?」
「人狼ね」
「確かに、タフで絶倫だし」
三人は青年の正体を見破る。呪いや血の儀式で生まれた変身する能力を備えた魔物と看破した。
国教では迫害の対称であったが、すべての人狼が必ずしも邪悪でない事を三人は知っている。
弱点に関しても知っており、血を介してしか伝染せず、正す力を持つ銀か魔力を帯びた武器でしか傷つかないと冒険者として初歩的な知識を持っていた。
アンナの長剣をはじめ三人の武器は魔力を付与されていたし、二本の短剣を操るシーマは貨幣の代用にもなるとして銀のダガーを持ち歩いている。
熟女たちは一文にもならないのに倒すつもりはなく、彼の精力が惜しいので人狼が嫌う武器で脅かして犯そうと企む。
「畜生、この俺がこんな年食った女どもに…」
「何言ってるの、あんな大きいだけの牛みたいな魔物とヤッてたくせに」
「連中が生意気なんで、思い知らせてやっただけだ。負けたんだから、面子を潰されても文句は言えないだろ」
「あんた、発想までケダモノね。そんなだから少し切りつけられただけでビビるんだよ」
「あんたじゃねぇ、俺には…スコルって名前があるんだ。銀の刃物なんてずるいぞ」
「我が女神は寛容です。人の心を失わなければ、人であり続けれるのです。そして、貴方は男…成すべきことがあるはずです」
牝の半獣人を犯していた青年はアンナたちの接近に気付き、変身して返り討ちにしようとした。
しかし、アンナとシーマの連携と、銀の短剣で彼の胸板を斬りつけて出血させると勝敗が決する。
彼は通常の武器で傷つかないので、初めて負傷したことで完全に平常心を失ったのが敗因であった。
ねじ伏せられてからマリアが傷口を縫って手当してやると、命まで取る気はないと分かり、徐々に打ち解けていく。
気絶した牡や失神した牝のミノタウロスを放置し、四人は近くの村を目指す。
一番近いのはヘンドリー村。スコルもそこを経由してここに来ていたらしい。

ヘンドリー村に向かいながらもスコルはやたらと背後を気にしている。どうも様子がおかしかった。
「どうした。まだあの魔物の膣が忘れられないのか」
「いや、そういうわけでは…」
馴れ馴れしい仕草で屈強な首筋に腕をからめ、銀製の短剣の腹でペタペタと彼の横顔を叩くシーマをにらみつけるスコル。
彼はうるさそうに彼女の腕を引き剥がしながら、下履き1枚きりの若々しい肉体を隠そうともしない。

しかし快活そうなその横顔には不似合いな、思い詰めた表情が浮かんでいた。
(………さすがにあのデカブツが村まで追ってくることは無いだろうが)
(…あのフード野郎の術に惑わされていなければ、みすみすランディをあんな……)
(術中にはまっていたとは言え、こんな連中に捕まるとは…隙を見て逃げ出すしかないか…)

「クソッ」


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