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アラサー冒険者
官能リレー小説 - ファンタジー系

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アラサー冒険者 14

「・・・ああそう。アレのエサの時間を忘れるところでしたね…………」
目の前の強姦地獄の"不幸を"楽しんでいたバグーが、洞穴の最奥の方角を振り返る。

「んん?・・・この匂いは……」
バグーの顔の中央に、鼻らしいものは存在していない。
眉のあたりから鋭く生えた触覚が、遠く離れた場所からの匂いを敏感に感じ取っていたのである。

「ああ、そうですかそうですか………こんなに近くにわたしの花嫁たちが居るってことですね?・・・面白い。
それならば今度は、別の花嫁たちを目の前で食い殺される不幸を味わってみるとしましょうかね?………このネトラレとやらの不幸もそろそろ飽きてきましたし」

不気味に勃起した精送菅をしごきながら、彼の笑い声がカサカサと乾いた音色をたてたのだった。

△▼△▼△▼

・・・一方。

ひなびた温泉宿"ヘンドリー温泉郷"の露天風呂の岩影では、若きワーウルフ青年スコルが、ランディのそれとは趣の異なる不幸に見舞われていた。

「サァ、またコレで痛い目に逢いたくなかったら、おねーさんたちの云うことを素直に聞くんだぜ?」
例の銀製ダガーの先を喉元に向けて牽制しながら、嬉しそうに片頬を上げて笑うシーマである。
毒に触れると変色することから古来、破邪の効果があるとされ、一部の魔物に追加ダメージを与えるとして珍重されてきた銀器である。
「クソッ……ざけんなよ」
毒づきながらも抵抗できずに、ただ素直に両手を頭に載せるスコル。彼の態度も、その武器の効果を恐れてのことだった。
が、彼を牽制しているのはそれだけではなかった。
「ダメよシーマ……あんたったらそのオッパイ、わざとブラブラさせて、この子をツンツンしようとしてるでしょ?」
アンナの突っ込み通り。
水牛の角型オッパイが、両ヒザ立ちにされたスコルの鼻先をくすぐるようにかすめている。
「そんなのに触わっちゃったらこの子、顔にも心にも消えない傷が残ってしまうじゃないの」
と言いながら、シーマから遠ざけるようにスコルの身体を引き寄せるアンナである。

「あんたこそ%&*+=@#?!」
「%&*+=んじゃねーよこの%&*+=!?#@」
とたんに彼女らの口喧嘩が聴こえにくくなってしまったのは、引き寄せられたスコルの頭を左右からすっぽりと、アンナの西瓜乳がはさみ込んだせいである。

大きくてあったかい耳当ての付け心地を味わいながら、スコルはふと別のことを考えていた。

不思議だった。
ランディをさらわれた直後、援軍として登場してきたメスのミノタウロスの一団に遭遇したあのときと似た、なにも考えられなくなって行く感覚。
やらねばならないのは追撃だということは明白なのに、どうしても目の前のメスウシを犯さねばならないと思ってしまった、あのとき感じた性衝動。
今の状況と不思議に符合する記憶。

あれの謎が解ければ、もう惑わされずにランディを救い出せるのではないか・・・

そんな微かな希望めいた思いが脳裏をよぎったが、それは一瞬でかき乱された。

「んもー、二人ともちゃんと、自分の役目をわきまえてくださいよー!!」
アンナとシーマの口論に、尼僧マリアが割って入ったからである。


マリアは首から下げた聖印を振りかざして怒りをあらわにする。
「先程のジャンケンで勝利したのは、他でもないこのマリアでしょう!?・・・やはり神のしもべを救い主はお見捨てに…」
「…るせーな〜、わかってるよ・・・チックショ〜、また監視役かよ全く………」
「いいじゃないの、前々回までは3回連続でそこはマリアだったんですから♪」
「んだよ勝ち誇ったツラしやがって……あんたはいいよ、ここんとこずっと攻められ役だったんだし」
「たったの2回、幸運が続いてただけですよ〜♪」

(………)
スコルは自分のおさえきれない性欲をしばし忘れて、呆れ顔をさらすしかなかった。
(………なんだよコイツら……お、俺が覗きをしに来る、いやいや脱走を図る前からそんな役割分担を……)

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