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マッスル・ウィッチ
官能リレー小説 - ファンタジー系

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マッスル・ウィッチ 27

彼ら二人の思惑通りに動いたソニアであったが、この顛末は後味の悪いものだった。


身内の婦女子を凌辱され、怒り狂う民兵を説得するのは骨の折れる仕事だった。
一発頬をかすめるのを喰らった上に、銃口並ぶ中での必死の説得。
最後は『こんな身内を放置していくなバカ』と言う衛生兵の叫びが彼らを我に返した事でなんとか説得に成功したのだった。

これにより隣国も名分を失い、軍を前面に出しての領主引き渡し交渉も問題無く終了。
荘園領主は軍に引き渡された上で公都での裁判。
国家反逆罪で死罪となった。

強欲領主を排除できた上で、隣国も牽制できた。
結果は大勝利と言えるかもしれない。

更に荘園には公都から代官が送られ、直轄地とされたのだ。

一方、ソニアはこの功績が認められ、アイル公太子の護衛隊長として抜擢された。
しかし、彼女としてはもやもやする結果だった。

どこかしらディックやドワサンに騙された心境。
特にドワサンのせいか、魔導師がトラウマになりそうだった。

彼女達の部隊は、あの肉団子隊長の馬鹿のせいもあるものの、本当に捨て駒にされた気分だった。

そして、派遣された代官が民兵の主導者をソニアの部隊への攻撃に口実に処刑していた事を知ると、あの銃士達がトラウマになったとは言え、納得できないものがあった。

『それが政治って事よ』と言うディック。
彼の言い分が精神的に納得ができる程、ソニアの頭は柔らかくなかった。


そんな初陣の頃の苦い思い出が甦ってきたのは、年端もいかない少年にいいようにされたからだろうか・・・
あれからソニアは、ハインケルの嫌みなぐらい丁寧な愛撫で何度も無理矢理達っせられていた。

アイルとの交わりは苦痛で拷問めいていたが、この交わりは女としての悦びを教え込まれた。
小癪な少年だが、身体の方はそう思ってない事にソニアは少し苛立っていた。

ハインケルの方は与えられた任務と獲物にこれ以上ないぐらいに打ち込んでいた。
貴族の嗜みとして、オンナをコマすテクは母や姉から十二分に教わってきている。
それだけにソニアは格好の獲物だった。

少しずつ片足が、太股が持ち上がり、尻向きで、ソニアの身体の裏表がひっくり返された。
バックから貫かれると、ハインケルの発展途上なペニスの長さでも、それなりの奥深さが伝わってくる。
ソニアはおのずから自然と甘い声を漏らし、白い陽炎が窓に写ってさえ見えた。

びっちゃべっちゃ、ぐっちゃげっちゃ、ずるぅ〜どろぉ〜

女たらしたる天賦の才覚を持つ少年に誑かされ、淫乱な意地汚い雌豚と化したソニアが、淫肉から欲望の果汁を溢れ出させる音…ではなかった。
窓の向こうの宵闇が白けた陽炎の如き幻覚に見えている、わけでもなかった。

城壁を這い上がり、窓に張り付いた、青白い人型の『何か』がそこにいた。

「あの…えと…その…えへ…あはは…はじめ…まして…。」

恥ずかしげに挨拶する、十代半ばの可憐な少女が、そこにいた。

…びちぁ…べちぁ…

壁を這い擦り窓に粘り付くその奇行を除けば『それ』は深窓の令嬢と呼ぶに相応しい。
水兵の衣装を巷の女性向けファッションに仕立てた…白地に紺色を交えた配色のセイラー服に身を包む少女。

濡れ羽色の艶やかな黒髪の陰、伏し目がちで輝き乏しく憂いに病む瞳は赤みがかった黒真珠。
紫の蔦模様を描く毛細血管まで淡く透き通る程に青白い肌、筋肉と呼べる物の存在を疑う程にか細い屍体…もとい肢体。
寧ろその躍動感の欠落さえも地上に有らざる可憐さを醸し出す。

「はぅ…わぁ…私…ロザンナ・フォン・ハイデルガルト…と申し…ます。」
「はい姉上よくできました!」
「ひぅ…もう…やだ……わわわ…私はハインちゃんのお姉ちゃん…で。」
「あはは?ごめんね尻殿!姉上ちょっと病弱で、恥ずかしがり屋さんなんだ!」

ヒキガエルの様なポーズで窓に張り付いた、ちょっぴり病弱な恥ずかしがり屋さん。
大雨に見舞われた訳でもないのに、荒波に揉まれた水兵でもないのに、ずぶ濡れであった。

「姉上、いないと思ったら、また井戸に隠れてたでしょ?」
「で…でも…ハインちゃん…出来るか心配で…這い出て…来ちゃった…。」

人見知りで井戸に隠れちゃう、ちょっぴり病弱な恥ずかしがり屋さん。
弟を汚した雌豚の始末…いや弟が無事に筆卸出来たか心配だったのだろう。

…くきゅっ…くきゅううう…

ロザンナは右手に握りしめた出刃包丁と似た何かで、苛立たしげに窓を引っかく。
それは厳密には魔法短杖、出刃包丁とよく似た形状でよく似た使い方も色々と可能。
魔法短杖『ヤマナイアメ』であった。

ロザンナ・フォン・ハイデルガルト、水魔法の資質を持つ少女。

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